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中「ふむ…ならファウルとバイオレーションについて説明してみなさい」
お、なるほどね、本当に分かってるか確認するつもりですか。
『…プレーヤー同士の接触によるものや、スポーツマンらしくない行為によるものをファウル、それ以外の禁止されている行為をバイオレーションと言います。ボールの扱い方や、時間に関するものなどもバイオレーションになります』
中「へぇ、1-3-1(ワン・スリー・ワン)は?」
『えっとー、ゾーンディフェンスの形態のひとつで、数字はプレーヤーの数を表しています。この場合、前に1人、真ん中に3人、後ろに1人が並びます。主に自分のチームのセンターが強力な場合に使います。』
中「ボールがエンド、サイドのライン上、もしくはコート外の床に落ちることや、コートの外にいるプレーヤーがボールに触れた場合、ボールがバックボードの裏や支柱に当たった場合のことをなんて言う?」
『えーーーっと、アウトオブバウンズ、ですかね?』
中「ふむ、全問正解だ」
ふえぇー良かった〜めっっっちゃ緊張した!
高「Aちゃんすっげー!」
緑「これぐらい当たり前にしてもらわないと困るのだよ」
『少しは褒めてくれ緑間くん』
中「ルールが分かっているなら大丈夫だね」
それから練習を見学したが今回はただ凄いで終わらせる訳にはいかない。
このハードな練習をしている選手達をサポートできるか、私に王者と呼ばれるこの人達の中に入る覚悟があるか……確認しなくては。
中「よし、ゲームをやるぞ」
チームに分かれてゲームが始まった。
そこから私は彼らに惹き込まれた。
王者の名に恥じないプレーの数々。
私は…
このチームを支えたい。
そう思えた。
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
今日の練習が終わった、そこからは各自の自主練。
高尾くんも緑間くんも当たり前だが残っている。
大「A、暗くなる前には帰ろよ」
『はい、分かりました』
でも私は彼らを見ていたい、高尾くんと緑間くんを。
2人は誰よりも長く自主練をしていた。
『すごいなぁ』
勝つ為にここまで努力ができる人は多くないだろう。
そして体育館には私たち3人だけになった。すると高尾くんは練習する手を止めた。
高「Aちゃん」
『…高尾くん』
高「どう?考えはまとまった?」
『…うん』
私は遅れて頷いた、いつの間にか緑間くんも手を止めて私の方を見ていた。
彼らから少し離れた所に立ち、大きく息を吸った。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時