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てか、なんでマネージャーいないの?強豪校なら各学年に1人以上はいるんじゃないの?
そう思ってそのまま高尾くんに聞くと、
高「えっ!え〜と……」
聞かれたくないことを聞いたのか、高尾くんは気まずそうに目を逸らしている。
これはマネージャーが入らない原因があるとみた。
『なに、マネージャーが入りたがらない理由でもあるの?』
高「うっ…」
緑「はぁ…まず、強豪校"だから"なのだよ」
『え?』
緑間くんが見かねた様子で話し出した。
緑「全国で勝っていく為には少しの時間も無駄にはできん、ほぼ休みの日はないのだよ。練習もハードで朝から夜まで、遠征合宿も当たり前にある。高校生活を楽しみたいと思っているなら入らない方がいいのだよ」
あぁ、なるほど。女の子なら高校生活を楽しみたいもんね。
本当にバスケが好きでないと続けることすら無理、というわけか。
高「あと1つ、確実に原因になってる人もいるけどな…」
緑「……」
『ん?なんて?』
高尾くんがボソッと何か呟いたみたいだが、上手く聞き取れなかった。
高「いや!何でもないぜ!」
緑「今の話を聞いて、Aはどうだ」
『うーん………』
つまるところ、高校生活をバスケに捧げられるかってことだよね。
……てかめっちゃ高尾くんが見てくる、怖い。
『それは強豪校のマネージャーになる上で当たり前だよね』
お姉ちゃんを見ていたからそれはよく理解してる。
でも…それとこれとは話が別だ。
高「っ!じゃあ!」
『ただ!ごめんだけど、考える時間だけでも欲しい』
緑「何を考える必要があるのだよ」
緑間くんの切れ長の瞳が私を射抜く。睨まれていると誤解されてもおかしくない、そんな目、有無を言わせない口調。それでも私は負けじと答えた。
『私、部活に入ったことないって言ったじゃん?それって、みんなと同じ目標を持って切磋琢磨し合うって事を知らない、その気持ちが分からないって事。適当な気持ちで入って部の雰囲気とか壊したくないの』
高「……」
緑「……」
あれれ?なんかすごい真面目な空気。
やだ、私こんなキャラじゃないのに、しかもいつの間にか入ること前提で話してた!やば!
『待ってまず、「分かった!」What?』
何がわかったのかな?高尾くん?
高「Aちゃんが本気なのは分かった」
あれ?
高「いくらでも考えて!でもできれば早めに返事ちょうだい!」
あれれ?
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時