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『えっと……どうされた?』
「あんたね、何良いように使われてるのよ」
『あー……別にプリント集めるくらい良いって』
「あんな言われて腹立たないの?」
数名に言われた"残念な方"の事だろう
『多少なり自覚はあるし別に気にしてないから』
これは本当だ。まじで気にしてない。
昔は結構傷付いてたりしてたけどその時間とメンタルもったいなくね?と気付いてからは気にする事はなくなった。そんなことしてる暇があったら推しを愛でる方が幸せだ。
「はぁ…あんたが気にしてないならいいけど、何かあったら相談ぐらいしていいから」
『えぇー!なになに、夏希デレ期?』
「しばくぞ」
キャーーッ!!!
『なになにどうした!Gでも出たか』
「違うよ、あれでしょ?バスケ部」
『え?バスケ部?』
廊下の方を覗きながら答える夏希。
「何、知らないの?最近モデルの黄瀬涼太が入部したらしいよ」
きせりょうた?誰だ。
「あんたまじ?この学校にいて知らないとかやばいよ?」
『興味のないことに容量は使わない派なので』
「……バスケ部の一軍の名前は知ってる?」
一軍…?二軍、三軍とかあるの?
なにそれ、プロ野球か。
『名前かー、えーっとねー』
「はいはいもう分かった、知らないのね」
はぁ…と呆れられたように溜息をつかれた。
え、そんな知っておかなきゃいけないことなの?
常識?
「学校中みーんな知ってるよ?めっちゃカラフル集団だし」
『は?カラフル集団?何それロケット団的な?』
「ちげーよ」
ガラガラと扉が開き、先生が入ってきた。
「じゃ、またあとでね」
『ほーい』
それから私はそのカラフル集団の事で頭がいっぱいに……なるはずもなく秒で寝ました。
それから夏希に叩き起こされ授業受けて、お昼ご飯を食べて気付けばHRになっていた。
でもここまで長かった。
「あんた寝すぎ、もう起こさないよ」
『いやー、頑張って起きようとはしてるんだけどね?』
「今日はアニメとか見ないで早く寝ろ」
『善処しまーす』
少し談笑した後、夏希も部活へと向かった。
『さぁて、私も帰りますかな』
家に帰れる嬉しさで今なら飛べる!!
「お!A良いところに!」
『何も聞こえませーん!』
「すまんが頼み事を頼まれてくれないか?」
おい、人の話を聞けと教えられなかったか?
『えぇ……』
「これをA…お前の姉に渡しておいてくれ!頼んだぞ!」
飛べそうだった私の気持ちはマントルめがけて急降下していった。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時