15個目 ページ16
黙々と帰る準備をしていると、
高「Aちゃん!」
『ん?どしたー高尾くんよ………あっ』
高尾くんに連れられこちらに歩いてきたクラスメイトは、それはそれは身長が高く髪色が緑色の、身に覚えのある人物…
緑「おい、離せ高尾」
緑間真太郎くんだった。
高「せっかく友達になったんだし、Aちゃんに俺の相棒を紹介しようと思ってさ♪」
緑「誰が相棒だ」
高「またまた〜、照れなさんなって!」
緑「照れてなどいないのだよ!」
正直置いてけぼりをくらっていたが、私は私で混乱していたのでちょうどよかった。
そういえば夏希が言ってたな……緑間くんは秀徳に行くらしいって、すっかり忘れてた。
高「おーい、Aちゃん?」
『あっ、ごめんごめん』
緑「……Aだと?」
『おいっすー、お久しぶりです』
高「あれ?もしかして知り合い?」
『うーん、知り合い未満?』
高「それだとほぼ他人じゃん」
仕方ないじゃないか、ちゃんと関わったことがあるのは中2の頃の1回だけだったし。
高「どういう関係なの?」
『んっとねー』
それから中2の頃にあった出来事をかくかくしかじか、まるまるうまうまと説明した。
高「ぎゃはははっ!wwwやっぱ2人ともおもしれぇ!www」
終始高尾くんは腹を抱えて笑い転げていた。何がそんなに笑えるのか、私はただA賞が欲しかったんだ。
『いやー、でもほんとあの時はありがとね!緑間くん!いや、神様!』
緑「別に構わないがその呼び方はやめろ!」
また一番くじやってたらお願いしよーっと。
そんなことを考えていると、緑間くんは何か聞きたそうにじっと私を見つめていた。
『…?どうかした?』
緑「……Aは、姉から何か聞いていないか」
『え?お姉ちゃん?』
一体なんの事かさっぱりだった。
というか主語がないと分かる訳ないじゃん、主語を使え主語を。
緑「あいつは、全中が始まる前にバスケ部を辞めたのだよ」
『…うん』
緑「正直、なぜ辞めたのか俺には分からないのだよ。あの頃の俺達は勝つことが全てだった、全中三連覇もほぼ確実だったのにも関わらず…あいつは俺達の前から姿を消した」
ほほーん、だから私に聞いてきたと…
私ならお姉ちゃんが何でバスケ部を辞めたか理由を知っているかもしれないから。
それなら…
『教えませーん!』
緑「なっ!?」
なんかお姉ちゃんがバスケ部を辞めたのも分かる気がする。
"変わった"ってこういう事ね。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時