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あれから劇的に私の生活が変わることはなく、いつも通り過ごしていた。
少し変わったとすればカラフル集団の誰かとすれ違う時に声をかけ合う関係になったぐらいだ。
(金髪野郎には相変わらず冷めた態度取られるけど。は?)
ちなみに大っきい妖精さんからはちゃんとお菓子のお返しを貰いました。
チョコ推しって伝えたおかげかチョコばっかり貰えた。
「何か最近バスケ部と仲良くなった?」
『え?あー、顔見知りになったぐらい?』
「意外。まぁ、あんたのお姉さんがマネージャーだからいつか知り合うとは思ってたけど」
『案外みんな良い人だよ?約1名除くけど…』
「え?誰?」
『金髪野郎』
私は彼になにかしたっけ?いや、私は何もしてない。何かしたらなら正面切って言いに来いって感じ。
「黄瀬涼太ね。モデルやってるから女の子に警戒してるんでしょ?」
『誰に警戒してんの』
「あんたでしょ」
『うち!?』
解せぬ。とりあえず今以上に仲良くなるつもりなんてないし警戒しないで欲しい。
というか女の子として認識しないで欲しいくらいだ。
「おーい授業始めるぞー」
ドアを開けて先生が入ってきて、またいつも通りの一日が始まった。
▼
時は流れ、私たちは3年生になった。
進路を考える時期だ。そしてあのバスケ部は全中三連覇を目指していた。
その頃からお姉ちゃんの様子が変わったような気がする。
家に帰ってきたお姉ちゃんの表情が浮かなくなっている事が多くなった。
前までなら疲れていてもどこか楽しそうな顔をしていたのに、というか帰ってくるのが早くなった。
もうすぐ全中が始めるんじゃないの?
流石に放っておけず私は遂に問いただすことにした。
『お姉ちゃん』
「ん?」
『何かあった?』
「…っ」
あ、何かあったなこれは。
『話ぐらいなら聞くよ?』
「A…っ」
『えっ、ちょっと!』
突然お姉ちゃんは堰を切ったように涙を流し出した。
どうにか落ち着かせ話を聞くと、一軍のカラフル集団がチームプレイのくそもなくなったらしい。
全員が才能に目覚め、個人プレイ主義に変わった、と。
みんなが笑わなくなった事、楽しくバスケをしなくなった事が辛くなりマネージャーを辞めたとの事だった。
『そっか、みんな変わっちゃったのか』
「私じゃもうみんなを支えてあげられない…っ」
『無理しなくていいと思うよ?私は帰宅部だからろくな事言えないけど……』
「っ、うぅっ……」
んん〜……安西先生助けて。
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作者名:雪泉 | 作成日時:2020年3月10日 19時