夢みたいな現実。15 ページ15
「しませんよ、乗っ取りなんて」
「ほんとかなぁ?」
あーやだやだ勘違いって。本当に辛い、こういう態度。
されたことないけど。
「本当ですよ、乱さん」
「ふぅ〜ん……じゃあ何でお面付けてるの?」
「そ、れは……」
予想はしていたが、いざ言われると心臓が飛び出そうだ。
こんのすけに助けを求めるように視線を向ける。
そしてこんのすけに目を向けて気付いた。
アイツ酔ってる、と。
どうすんの!? 策があるって言うからこのお面私付けてんだけど!? その策言う前に酔っぱらわないでよ!!! てかこんのすけも酔うんだね!!!
「見習いさん?」
「あ、いや、迎えに来て下さったこんのすけ……さんが急にこのお面を押し付けてきたのですが……そのこんのすけさんが酔っていらして……」
「お面について、僕も気になってました! あちらでゆっくりお話でもしませんか?」
「……あ、秋田さん……」
泣いていた、と言えるはずもない私が、どうにか言い訳を考えていた時、後ろから可愛い声が聞こえてきた。
秋田である。
なに君ら私を驚かせたいの? 私のこと嫌いなの?
あ、嫌いでしたね。見習いでした私。忘れるとこでした。
おそらく秋田は、私と乱の会話に勘づき始めた審神者様の目を欺こうとして話し掛けてきたのだろう。
何で分かるのかって?
奥の方で席を固めてる粟田口の皆さんが、よっしゃって顔してるからですよ。
「い、いえ、私は……」
折角誘ってくれたのは嬉しいが、嫌な予感しかしないので断らせてもらう。
曖昧になってしまったがなっ!
いけない! これではか弱く演じてるだけのゲス見習いじゃないか!!
「ま、そう言いなさんな。
俺っちたち見習いと仲良くしたいんだ、来てくれるだろ?」
はい。
またしても後ろから驚かしてくるのは、一人称で分かったと思うが薬研だ。
そして振り向かなくても感じる謎の威圧感………
冷や汗が頬を伝っていくのが分かる。
こ、断れない……
1. 断ったら弟セコムにお覚悟。
2. 断らなくてもセコム以外にもお覚悟、だがこちらの方が今後に希望が見える。
さて、あなたはどっち?
A.絶っ対に2です。
理由.あわよくば皆と仲良くしたいからです!
「わ、かりました。
審神者様、少しあちらにお邪魔しても宜しいですか?」
「え、粟田口のとこ? いいけど……」
「有り難う御座います」
頑張れ、頑張るんだ菜乃!!
あくまで正義正しい子を貫き通せ!
か弱い子じゃないぞ、礼儀正しい子だ!!
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時