【原神】無表情の私とホムンクルスの君【アルベド】 (ページ4)

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3話ページ4

胸の中がモヤモヤして、なんだか気持ちが悪い。

七天神像の横に座り、ぼんやりと麓を眺める。

アルベドさんはのことは、よく知らない。
西風騎士団の首席錬金術師で調査小隊長。
絵が上手い。
助手にスクロースさんっていう、かわいい女の子が居る。
絵を描くのが好きという噂。

この程度だった。

というか、お互い数える程度しか顔を合わせたことがないはずなのに、なんで私の事を認知してて、さらには助けてくれたんだろうか。

思考を遮るように、ガシャアンッと遠くからなにか壊れるような音がする。
下の方から聞こえ、元素視覚で目をこらすと、少し下にファデュイの先遣隊が誰かと戦っている。

『あれは...』

見覚えがあった。
龍災からモンドを救った、栄誉騎士。
その人は、5人程のファデュイ先遣隊と戦っていた。
元素が不利なのか、苦戦を強いられているように見える。

『...』

フードを目深に被り、風の翼を出す。

『ふっ！』

栄誉騎士さんの背後から、今にも斬りかかりそうな敵の間に割った入り、剣で相手の武器を弾く。

空「ぅわっ！？」

ファデュイ「なんだっ！？」

素早く後ろに回り込み、風元素を流し込んだ剣で斬る。
栄誉騎士さんも、判断が早く近くで油断している敵をなぎ倒していく。
ほんの1分程度で先遣隊は撤退して行った。

空「あのっ！」

『この山、寒いし危ないから気をつけて。』

その一言だけ残して、走って逃げる。

追いかけてきたから、上手く雪でカモフラージュしながら、七天神像の所へ戻る。
周りに誰も居ないことを確認し、フードを外す。
そして、フードジャケットを裏表逆にして着直す。

ジンさんの計らいで隠密部隊としてと一般騎士として、服装を変えた方がバレないということで、フードジャケットはリバーシブルになっている。
何から何まで、有り難すぎる。

走ったはずなのに冷えきっている身体で、その場に座り込む。

何が辛いって訳でもない。
自分が不幸なんて思わない。
むしろ、恵まれてる方だと思っている。
なのに、何故か虚無感に襲われる。

私は何をしているんだろう。
こんな雪山で、一人で。
だんだん、頭がぼーっとしてくる。

むしろここの誰も来ないような、ずーっと奥の方で一人で暮らしちゃおうか。

？？「あーーーーー！！！」

突然の叫び声に、意識がパッと覚醒し、反射で剣に手をかける。
声の犯人は、なんと、さっきの栄誉騎士さんと一緒に居る白い妖精？だった。