寂しがりやの黒猫くん

仲直りに遊びに行かない？ ページ5

担任による短い話が終わった。


入学初日だから、授業はなく生徒はこのまま帰宅。


私も、真っ直ぐ家に帰って今日は体を休めようかと思っていた…教室から出ようと足を進める、けれど。



「陽奈子〜!」



「那月?…ど、どうしたの?」



扉の手前に来たところで、那月に肩を軽く掴まれ、引き止められた。



「あのさ!この後、暇?」



可愛く小首を傾げて、私にそう尋ねてくる那月…この後は特にこれといって特別な用事はないし、暇かな。



「?…暇だよ。」



「本当?実はさ、この後近くにあるゲームセンターに遊びに行こうと思って…陽奈子も、もし良ければなんだけど、どう?」



ゲームセンター…か、あまり行ったことないな。


昔から人見知りで、友達が少なかった私は、小学校の頃や中学の頃も、何処かに誰かと遊びに行ったりしたことなんか、殆どなかった。



「い、行きたい!」



「やった!実は、後2人一緒に行く人がいるんだけど…大丈夫?無理しないでよ?」



何故か心配そうに眉を下げる那月…言葉の意味は良く分からないが、取り敢えず私は笑顔で頷く。



「よし!メンバーも揃ったし、行きますか!」



だけど、彼女が揃えた『メンバー』…それは、とんでもない奴等だった。

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