私と〇〇できないくせに！【伊黒小芭内】

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「まずね、なんか押し倒されたのよ、じゃなのよ。ねぇちゃんは顔だけはそこそこ可愛いんだから、軽率に男煽ったらダメ、たとえ幼なじみでもね、わかる？」

「わからん。」


だって今まで1度たりとも男に押し倒されたことなかったんだもん。

それと聞き流したけど顔“だけ”とは聞き捨てならんな。



「ノーカンでいいかな」

「明らかに駄目だろ」



たしかに。初めてだし。



「そういや、彼氏にはなんで振られたわけ？そこそこ上手くいってたんじゃなかった」

「上手くいってたと思ってたのは私だけだった……」

「あー……いつものパターンね」




いつものパターンとか言うんじゃねえよ。




「ぜんいつー、よしよしして」

「よしよし…ってこれなんか効果あんの」

「ありまくり」



弟に撫でられるだけでHPが5000ほど回復しちゃう。
うう、、善逸大好きだよお。



「もう……俺も姉ちゃんのことだいすきだけどさぁ」

「うえーーーーん善逸〜〜！！！」

「抱きつくなって！あついわ！！」



照れてるの可愛すぎてお小遣いあげたい。



「つかさぁ、そーゆーことするのはもちろん自由なんだけどさ」

「……なに？」



ちょっと不満げにジト目を向けてくる善逸。なんですかその顔は。そのはぁこいつホント呆れたみたいな顔は！



「先にしちゃったら伊黒さんと付き合えないんじゃない？よかったの」

「へ？」

「へ、じゃないよ。姉ちゃん伊黒さんのこと好きでしょ？」


足をぶらぶらさせながら、取り返しのつかねーことするよなぁ、全く。とか言ってくる。


えっどういう意味？私が、小芭内を？好き？



「どういう意味って、そのままの意味だよ」

「心読まないでよ！」



善逸はいつも私の心が読めるし、そういう音がするんだ、とか姉の私にもよく分からないことを言う。

変な弟を持ったもんだ。



私が唖然としている間に、「あっ、ぺ○ぱ出てる〜俺結構好きなんだよね」とテレビに駆け寄っていく善逸。


本当にお前は今日も可愛いな。超能力持ってても可愛いよ、うん。心読んでてもおーるおっけー。


テレビの中で楽しそうに漫才を繰り広げる芸人さんを前にして、善逸はあぐらかいてげらげら笑ってる。






「……私も時を戻してぇよ」




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