鼻のいい少年は気づく。そんな彼は鬼殺隊。 ページ17
『やあど派手くん』
「おいこらテメェ、俺の名前は、宇髄!天元!つっただろ!!!!」
『昆布くんは昆布くん
冨岡さんは冨岡さん
ど派手くんはど派手くんだからね』
「何だそのその謎理論!!!!!(正論)
とにかく!おれは宇髄天元だ!!!」
*
「‥‥嗚呼。俺は宇髄天元様だ!!!!よく覚えてやがれ!!」
『なるほど。よろしく宇髄さん』
宇髄さん。
ずっとそう呼べと言った筈なのにAが言うと違和感を感じる。
お前が俺をど派手くんと呼び過ぎたせいだ。俺がお前にど派手くんと呼ばれ過ぎたせいだ。
このままAの顔を見ていたら泣いてしまう気がして、情けない姿を晒してしまう気がして、部屋を去る。
「天元様!!!!」
妻の叫ぶ声にも振り向かず最低に俺は廊下に出た。
「な、んでっ‥‥‥」
壁を強く叩く。どうしようもない。どうしようもなかった。抑えきれなかった。
「ど派手くんって言えよ‥‥ばかっ‥‥」
胸が苦しい。張り裂けそうだった。辛く、息ができない。
そういえば、ど派手くん、と呼ばれる度に、俺の名前は宇髄天元だと思いつつも、どこか嬉しい気持ちがあった。今更だ。
*
最近、蝶屋敷の匂いがおかしい。
どこか不安定で揺れ動いている。
「なあ、善逸もそう思わないか?」
「あ、それ俺も思ってさー、この前しのぶさんに聞いてみたんだよ。そしたら、
"宇髄さんあたりの柱の皆さんの方がもっと酷いです"
だって」
善逸の言った言葉に炭治郎は眉を寄せる。何か嫌な予感がするのだ。
「柱が‥‥しかも複数人も?それって何かあったんじゃないか?」
「えっ!!まさか、鬼舞辻無惨が何かしたとかっ!!!やばっヒイィィィイイ!!!!」
叫び狂う善逸に床でごろりとしていた禰豆子が起きて首を傾げる。炭治郎は慌てて善逸を宥めた。
「落ち着け、善逸!まだ決まったわけじゃないだろう?今日、一回義勇さんに聞いてみるよ」
でももし鬼舞辻無惨が原因なら鬼殺隊士達にも情報が共有されるはずなのに。
それとも、鬼舞辻無惨ではない、別の何かなのか?
久しぶりのこの流れ。辛いのは一割でいい。→←本当に本当に大切なものは残るはずなんだ。
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ひいらぎ・いろ - 小冬さん» ありがとうございます、いつも小説を書く度に面白いか凄い不安になって、、そう言ってもらえて凄く凄く励まされます!これからも頑張ります! (2021年5月2日 7時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - とっっても、面白かったです!!もう、夢主の反応とかがめっちゃ面白くていつも思い出して笑っています!!これからも頑張って下さい!! (2021年5月1日 23時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - S_t0606さん» コメントがきたことにはしゃぐ人間はこの世にはいます。(ありがとうございます!)なるほど、、確かに夢主よく宇髄さんといますから、、もしかしたら、、? (2020年11月29日 20時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 宇髄さん宇髄さん宇髄天元様で落ちお願いします (2020年11月29日 17時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - 氷華さん» まさか続編にいけるとは、、(←亀更新人間)こちらこそ、よろしくお願いします! (2020年11月14日 21時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひいらぎ・いろ x他1人 | 作成日時:2020年11月13日 0時