【銀魂】 吉原の遊女と鬼の話。

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「・・・・あ・・」






強い衝撃、
かしぐ視界。









赤い花が咲いたのはわっちの肩。




ゆがんだ眼の先に
すぐ後ろにいた土方が

血を噴き出す姿が見えた。









わっちの銃が地面に転がる。
なにも発さなかったおもちゃの銃が。







白い煙が立ち上るのは宮野の銃で。









「つくづく遊女というものはおろかですねえ・・
男に溺れて裏切るとは。




・・・まあ、本当はどちらでもよかったんですけど。」






人を見下す下卑た笑い。




わっちを貫いた弾が流れて



土方にあたったのじゃと、




やっと気付いた。






「A、しょせんあなたは遊女。
道具にすぎないのです。



そんなものに本物の銃を渡すと思いますか？」






倒れたままの土方。





痛みに歯を食いしばるわっちにそう云い捨てる。






最初からわっちに
土方を殺させる気などなかったというのか。









「この男の気をそらすのにあなたは最高でしたよ。


まるで私のためのように土方の前に立ってくれたのですから。





まさに一石二鳥です。




商人はこの言葉をこよなく愛してましてねェ・・・・









本当に感謝しますよA」









筋書きを、変えることなどできなかったというのか。









二つの血だまりがふとつながって。









わっちのせいで、土方が撃たれた。






どれだけあがいても、
遊女は道具じゃった。









｢あなたも幸せでしょう。



裏切りまでして
愛をささげた男とともに死ねるとは。」









そんなこと、望んでいなかったというに。









｢さようなら、馬鹿なおもちゃ。」









わっちの頭に冷たい銃口。





引き金が引かれていくのが見える。









・・・・・と。









視界をよぎる銀色の光。









｢・・・・・・ふざけてんじゃねェ。」









後ろから声がした。

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