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実はな、と小声で話し始めた。
「高校ん時、春川さんの絵見たことあんねん」
私は、美術部に所属しており、部員は私だけだったので、作品は出さずに部室に放置していた。
顧問の先生にしか、見せたことないのに。
「それ見てな、これ描いとる人はどんな人なんやろって興味もって。そんで同じクラスの春川さんやって知ってん」
『大したもんじゃないやろ』
「俺、あの絵が好きやったな。鳥がぶわあって夜空飛んどるやつ。でもなんか普通に飛んどるんじゃなくて、なんて言うんやろな…」
ああ、思い出した。
初めて宮くんがプレーしているところを間近で見た日。
スパイカーが思いっきりパフォーマンスができるようなセットアップを見て、思い浮かんだやつだ。
『あの鳥、宮くんやで』
「へ?」
『宮くん見て、思いついたんよ』
「それは嬉しいなあ」
この人の笑顔は、私の心を揺さぶってくる。
本当に嬉しそうに笑うんだから。
「もう描かへんのか?」
『うん、描けやんねん』
「何で?」
デリカシーが無いのは、高校の時と変わっていないらしい。
『右手、怪我したんや。階段から落ちて』
もう、思うように使えへん、そう言った時宮侑の眉毛が上にピクリと動いた。
「なら、左手で描けばええやん」
『……は?』
「描きたいんやろ?なら左手で描けばいいだけやんけ」
『いや、文字を書くのとは違うんやで?』
「わかっとるわそんくらい。描きたいって思っとるんやろ」
『まあそれは、そうやけど』
" 左手 "で、描く。
その発想は無かった。
右が無くなった日から、私は何も思い浮かばなくなったし、描けないと自分で思っていたからなのかもしれない。
……宮侑は、面白い奴だ。
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池田(プロフ) - 茜さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2022年10月21日 13時) (レス) @page20 id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - はじめまして。素敵なお話ですね!夢主共感できる部分も多く、楽しく読ませて頂きました。後で他の小説も読ませて頂きます。 (2022年9月8日 23時) (レス) @page20 id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
池田(プロフ) - ;; ・。・さん» 命はお大事に(?)!!!こちらこそ読んで頂いてとても嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年12月8日 22時) (レス) id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
;; ・。・(プロフ) - くっそ尊すぎて死にそうになりながら見てます絶命しそう好きです素敵な作品ありがとうございます、、、、 (2020年12月8日 20時) (レス) id: faf8ccb6a1 (このIDを非表示/違反報告)
池田(プロフ) - 深月あかざさん» コメントありがとうございます!!^^ (2020年6月14日 20時) (レス) id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:池田 | 作成日時:2020年6月6日 17時