第80話 ページ43
『あースッキリした。
思えば、これを言うのに待ってたのかもね、スガのこと』
照れ笑いを浮かべるAはあの日より随分丸くなったと思う。
正直今も見惚れてる。
『実はね、これを見せた後でなんだけど……
この時計は僕にしか壊せないんだ』
「なんだよ〜。
じゃ、さっさと壊して戻るべ!」
俺が壊してみようと時計をガンガン叩いていると、不意にAはそう言った。
それなら、と俺は時計をAに渡す。
受け取ったAは微かに触れた俺の指に、少しの間包み込む様に手を添えて、
『あぁ、そうだね。
__集った蛇よ、その力を我に捧げよ_』
その言葉は呪文とでも言うべきか。
言葉を合図にAに憑いた蛇や服がまた、光る。
瞬きの直後、Aは黒く染まっていた。
髪も、肌の色も、全部。
足は最後まで存在していない。
エネみたいに途中で途切れている。
体の輪郭は白く浮き上がっていて、コンピュータが何処までも並ぶ、
ブルーライトが照らすこの世界で、彼女はひたすらに黒く在った。
『これは蛇を取り込んだ姿。
言い換えると蛇の集合体であって、始まりの……原始の姿。
ぶっちゃけるとほぼほぼはだk……』
「ちょっ!!!?」
『……うぶだね』
「Aがからかうからだろ!!?」
ちょっと…………目向けられない。
クスクスと笑う声がする。
チラ、目をそっと向けると目が合った。
『……ん?』
「ごめっ……!って、A……」
また笑う。
そこに居るのはきっと完璧なAじゃない。
蛇を取り込んだ影響なのか、それとも……
どちらにせよ、俺はそんな君でも愛しいと感じるんだ。
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作者名:ベルリラR* | 作成日時:2017年6月12日 16時