六十三話 ページ29
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「…で、何で急に居なくなった」
マリンフォードがすっかり見えなくなり、海兵のリボンも全て解除して一段落ついたところでマルコが思い出したように口を開いた。
…言わないとダメ…ですよねごめんなさい言います。
「サッチが刺された日ね、私のリボンがティーチの‘‘悪意’’を察知したの」
「…」
私が家族達に透明化させたリボンを接続しているという事実は一部の人しか知らない。マルコもその内の一人で、あの日の私に何か違和感があったのか何処か納得した表情をしていた。
「それで、原因は何だろうって考えて…サッチが悪魔の実を見せた瞬間感じたから、多分そういう事なんだなって…思って…」
「止めようとしたのか?」
「うん。でも、守りきれなかった。駆けつけた時にはもう手遅れで、咄嗟に銃で撃ったんだけど……分かっていたのに阻止出来なかったから、罪悪感で…それに、家族を傷つけたのには変わり無かったから…」
…声の震えが止まらない。
初めは黙っていたマルコも一度は言葉を口にしたけれど、その後は再び口を閉ざして、最後の方は無表情で妙に重々しい雰囲気を纏っていた。
目を合わせるのも怖い、でも目線を逸らせば状況が悪化するのが分かっているから耐えるしかない。
全て話し終えるとそれまでピクリとも動こうとしなかったマルコは急に私との距離を詰め、右手で握り拳を作った。
あぁ、殴られる………
「やっぱお前馬鹿だろ」
「バっ……!?」
これから来るであろう痛みに備えるため反射でギュッと目を瞑るけどいつまで経っても衝撃は来ず。
おずおずと目を開けると、さっきとは一変して呆れながらも穏やかな表情をしたマルコと目が合い、ぺちっと控えめなデコピンをおでこに食らわされた。
「何でそこで罪悪感を感じるんだよい。それならお前が銃声を出さなけりゃ朝食の時間まで気づかなかったであろう俺達はどうなるんだ」
「それは…」
「むしろ俺達はAに感謝してんだよい。お前のおかげでサッチは一命を取り留めた。それにエースも、お前が赤髪の娘を連れてこなかったら赤犬に殺されていた。本当に助かった、ありがとよい」
「…どういたしまして?」
「あと、ティーチとお前を一緒にするな。お前は家族を守る為にティーチを撃ったんだ。家族のために行動して、悪いわけあるかよい。
…皆Aが帰ってくるのをずっと待っていた。早くただいまって言ってやれ、アイツら泣いて喜ぶぞ」
「っ……うん!」
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マシロ_mashiro(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!やっぱり仲違いしたままは後味が悪いですもんね。最後までご愛読ありがとうございました(*´▽`*) (2023年5月8日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - コメント失礼します! 一気読みしてしまいました。最終的にそれぞれの、気持ちを話し合って和解できて良かったなって思いました。とても、面白かったです!! (2023年5月7日 23時) (レス) @page50 id: 18462604da (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 文ストオタクの一般人さん» 過保護になりすぎないように執筆していたはずなのにいつの間にか…妄想って怖いですね笑、どんどん拡がっちゃいます。ご愛読ありがとうございました! (2023年3月14日 16時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 皆過保護だけどマルコがwwめっちゃ良かった!、、、です! (2023年3月14日 8時) (レス) @page47 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 桔梗さん» そう言っていただけると執筆したかいがありました!最後までお付き合い頂きありがとうございます!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年1月7日 15時