LOVE BOX -北藤-

＊　ＨＡＰＰＹ　ＥＮＤ ページ23

それから数日。

ひろとはうまくいってる。

言い方おかしいけど。

今までが変だったの。

言いたいこと言って、聴いてもらって、スッキリした。

ひろのスマホが鳴った。

「もしもし…え？飲み会？」


ﾋﾟｸｯ。


耳がダンボになる。

「それは、一回だけって約束だろ？」

ひろがハッキリ伝えてくれる。

相手にも…たいぴにも聞こえるように。

「あんまり、帰り遅くなるの嫌なんだよ。恋人を一人にしたくないから」

………(/ω＼)

まさかの、台詞。

恥ずかしいっ！！

今までなら、ここでカッター見せるけど。

行かないでって叫んでヒステリック起こすけど。

もう、しない。

ＧＰＳも見ない。

「行ってくれば？」

「え？」

「せっかく、誘ってくれてるんだし。行って来ればいいじゃん」

「…いいの？」

「うん」

我慢じゃない。

無理してない。

ひろの笑顔が見たいだけ。

「えっと…恋人の許可が出たから、行けるわ」

電話を切ったひろが、すごく驚いてるｗ

「いいのか？」

「うん、大丈夫。一人で留守番できる」

「一人にしたくない」

たいぴだって、一人は嫌。

寂しい。でも…。

「帰ってくるの、待ってる時間が好きなの」

「太輔…」

「大丈夫」

たいぴも同じ言葉を返した。

「この指輪があるから」

ひろに見せる。

「だから、頑張れる」

「…そっか」

「ほら。仕事に行く時間だよ」

鞄を持って、玄関まで見送る。

愛想尽かされないように。

ずっと好きでいてもらえるように。

初心忘るべからず。

いつまでもドキドキしてもらえるように。


「いってらっしゃい」

「いってきます」


幸せな毎日が続くように。


未来の為に…。


強くなる。

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