【h×h】ネガイ×ト×セカイ【幻影旅団】 (ページ33)

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32.念ページ33

翌日、朝早くにクロロに呼び出されいつもの場所に行く

何時もより早く起きたためAの脳はまだ完全に活動状態になっていないだろう

外に出ると朝の澄んだ空気が寝起きのAには気持ちが良かった

少し歩くとクロロは居た

「おはよう。クロロ」

「おはよう」

クロロに何故こんなに早く呼び出したのかと聞くと念の修行は難しいから何時もの時間だときついらしかった

やはり念を覚えるのは容易ではないようだ

その後クロロは念とは何かを説明し始める。念とはオーラ(生命エネルギー)を自在に使いこなす力のことなど基礎的な知識を教えられる

「Aは既に念を使っていたが何故か今は精孔が閉じている」

「精孔を開ける方法は二つある。1.ゆっくり開ける2.無理やり開ける。1は時間はかかるが安全に開くことが出来る。2は時間はかからないが命を落とすかもしれない危険な方法だ」

「急ぐ必要は無いがAはどっちがいい」

そんなの考えるまでもない。答えは1つだ

「2だね。危険な方法だけど早く開いた方がいいから」

Aは至って平常心。危険な事になんの躊躇もない。この世界に来てから危機感が薄くなっている気がする

「分かった。それじゃあ今から無理やり開ける。A後ろを向け」

Aは後ろを向き身構える

瞬間全身に衝撃が走った

・

「これがオーラ…」

自分の手を見てみると白い湯気のようなものがゆらゆらと流れ出ている

「まずはそのオーラを肉体にとどめるんだ。それを"纏(テン)"と呼ぶ」

Aは目を瞑りイメージする。オーラが全身を血液のように巡っていると想像して、その流れをゆっくりにし体の周りを揺らぐように

するとAの体から流れ出ていたオーラは薄くなり全員を覆った

「流石習得が早いな。ではその状態で一度俺と組手をしよう」

「うん」

Aはクロロに向かって構える。今回はナイフを持っていないが、ナイフを使うにあたって体術も相当必要なので体術だけでもAは十分戦える

だがこちらが念を使っているからクロロも念を使うようだ。Aとは比べ物にならないほどの洗練されたオーラ。その緩やかに優しく見える念の奥には鋭い刃が眠っていると考えると、恐ろしくもあるが同時にとても美しいと思った

あぁこんなにも美しくて他人を魅了してしまう人を私は見たことがない

本当にクロロが師匠で良かった

そう思っているAの口元からは自然に笑みがこぼれていた