同志の思いを胸に【BANANA FISH】 (ページ42)

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アッシュside

ショーターと宇宙という奴が入れ替わっていたなんてこと、俺は全くもって知らなかった上に見抜くことができなかった
というよりも、仕草も口調も行動も全て“ショーター”だったのだ

もしもこれが殺しの場だったら？俺は確実に死んでいたかもしれない
ショーターであろうと誰であろうと、そいつが何者なのかも見抜けなかったのだ

『宇宙』

「ん？」

『化けれる？』

「まぁ…いけなくもねぇけど…まあ、練習してみるよ」

『頼む』

「レパートリー増やすのは楽しいからいいけどさ」

『んじゃよろしく』

「人使いの荒さは世界トップだぞ、お前」

ケラケラ笑いながら宇宙という奴に言っている海斗は、一体…何者なんだ？

海斗side

『ふぇっくしょん!!』

「うわっ、汚いな」

薄着だったおかげでくしゃみは止まらない。ズビッと鼻をすすり、「風邪薬飲んどけよ。早めの対処」と宇宙がどこから持ってきたのか出したのかまるでわからない風邪薬を投げて寄越した

「んじゃ、俺はホテルに戻るよ。森羅も待ってるし」

『OK』

「言っとくけど、そうならないようにってことちゃんと考えとけよ」

『わーってるわーってる』

それだけ言い残して宇宙が出ていくと、与えてもらったベッドの上でゴロリとする
用意してもらっていた一式を全てこちらに運んできてくれていた宇宙に感謝しながら、スマホをポチポチと打つ

(えーと、やることというやることは全部済ませたしあとは適当に流しておけば問題…な、い…)

目がとろんとしてきたのを感じる
昼間にして眠気が勝ってくると、スマホを取り落としてそのまま目を閉じる

久しぶりにいい夢が見れるといいな

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子分たちが買ってきた飯を食べようと英二が用意をし始め、海斗を呼びに行こうと部屋に向かうとベッドの上で眠っている海斗がいた

夜はうなされて眠れていないのは知っていたが、昼間にこんなに穏やかに眠れているというのにも驚いた
旅の道中に昼間に寝るなんてことは俺たちは見ていなかったし、見ていたとしてもそれが目を閉じているだけで騒げば騒ぐほど苛立ってたまに俺たちを蹴っ飛ばすこともしばしばあった

今回、海斗はショーターの家族を守るために自分の持てる力を全て出し切ってショーターたちを守った
俺ができなかった、意識していなかったこと全てに手を回したのだ

そりゃ疲れる