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『はい、もしもし』
《ってめぇ………いい加減にしろよ!! バスターミナル着いたはいいが、時間外じゃねぇか!! おかげで次の日の朝まで空港に足止め食らっただろうが!!》
『時差考えて出てこいよ…バッカじゃねぇな』
《お前に言われたくねぇーッ》
電話の向こうでうがーっと叫んでいるマブダチにカッカッと笑っていると《…んで？要件は？》と早速本題に入ってくれた
『あぁ、実は…』
ーーーーー
ーーー
ー
『て、わけ』
《…まあ、時間さえありゃいい問題だな。あとはお前の努力次第だ》
『別にそんなもん努力なくてもできるだろ。今、それの開発してもらってる』
《クソが》
しばらく電話をしていると紙袋にどっさりと食べ物を買ってきた英二たちの姿が見えた
『そろそろ切る』と伝えると《なあ》と声をかけられた
《お前、今幸せか？》
姉さーん！と遠くの方から英二の声が聞こえる
屈託のない無邪気な笑顔を見つめ、口元が自然と緩むのがわかる
『これ以上ないくらい、幸福でたまらないよ』
自分でも驚くほどに穏やかな声が出た
電話の向こうの相手は《そっか》と優しく穏やかな声でそれだけ言って電話を切った
「また仕事の電話？」
『あぁ』
「もう。姉さん、いつか過労で倒れちゃうよ？」
『そりゃあいい。ついでに豪華な病院食もまけてくれ』
「もーーっ！」
プンスカ怒っている英二がドスドスとウサギの地団駄のように足音を鳴らして歩いていくのを見ていると、スマホがまた震えた。今度はイトナだ
『もしもし』
《俺だ》
『イトナ。頼んだのできた？』
《今は微調整だ。寺坂の馬鹿面で試している》
『え、それつけんの？消毒しろよな』
《問題ない》
うげーっと舌を出していると、「お姉さん、誰と電話？」とアッシュが肩を組んでくる
日本語だから会話の内容はわからないだろうが、《誰だ？》というイトナの声を拾ったのか、「…男？」と眉を寄せている
『イトナ、それだけど完璧だって胸を張って言えるようにしておいてくれ。多分それ使うから』
《わかった。任せろ。それから、嶋原》
『んー？』
《アドバイスブックに書いてあったのだが》
『アコーディオンのか？あれ読むのいつまでかかるか…』
《あぁ、それで頼み事があって》
『ん？』
《実はな…》
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
