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「え？」
「俺たちは間違ってた…。バナナフィッシュは人間じゃない」
画面に表示されたのは、アルカロイドの成分表と化学物質の精製方法を図にしたものだった
おかげでこの頭でも作り出すことができる簡単な図式だったので、このデータを即刻削除するしかないかもしれない
化学物質のグラフの数字がピコンと伸び、数字が上昇していくが、直後マーカーで次々と消去されていく
キダチョウセンアサガオの画像を見て指を画面に当てる
『いい？これはバナナフィッシュの分析表だ。主なものはサイクロビン、リゼルジックアシッド、ジルチルアミド…バナナフィッシュは、あの薬 物そのものだったんだ』
「薬 物…」
(けど、こんなのLSDのクスリと全く同じだ…突発的な凶暴性、攻撃型、破壊行動がアッシュの兄貴の症状
けど、LSDにはそんな症例はなかった…)
「姉さん？」
(LSDやなにかの幻覚剤の一種、というのはここまでの見立てでわかったが、LSDの効果継続時間は8時間のはず…
んで、あの薬 物は確か…24時間以上…症状は凶暴になり、極端な自己破壊行動…最終的には自 殺)
「海斗姉さん」
(ここ数ヶ月で起こっている奇妙な自 殺事件が何件もあったとニュースでも報道されていた…んでもって、このクスリは)
「姉さん！」
『うわっ！な、なんだよ…英二』
「説明の途中で黙り込むからだろ？…なにかわかったの？」
『あ、いや…なんでもない。どこまで説明した？』
「もー」
頬を膨らませた英二に代わって答えたのは、アッシュで「ここまでは説明してくれたぜ」と指でトントンと画面を叩いた
『…つまり、問題は…この不活性アルカロイドだ。これについては詳しいデータがないからなんとも言えないけど…』
「どんな作用を引き起こすんだ…？」
「これが、グリフを狂わせたものの正体だってのか？」
「ドラッグか…それも全く未知の…」
『……………………』
「あ、姉さん」
『んあ？』
データを眺めて険しい顔をしていた私に構うことなく英二が「スマホ、ずっと鳴ってるよ」とパソコンと繋がれているスマホがバイブしていた
『あ、あぁ…』
「誰から？」
『…竹林？はい、嶋原。竹林、どうした』
《あぁ、今大丈夫かい？》
『え？あ、あぁ…』
「…？」
椅子から立ち上がりスマホを耳に当てながら部屋の外に出た
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
