殺し屋のバレー IV 【男主】 (ページ9)

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「3番3ばーん！」

「ッサァー！一本ー！」

「ナイッサァー！」

『…………』

(このクソガキ…全くもってプレッシャー受けてない…!!)

(さすが及川の後輩…肝据わってる…)

もう4点差もある

こっちは日向なしで前衛は2枚

早くローテを回すべき

けどここで焦ってミスれば意味がない

だから

(俺は冷静でいるんだ)

「オーライ！」

「ナイスレシーブ!!」

「いいか、影山…よーく見とけ」

「！」

「これが…同級生の中でも上手い奴のプレイだ」

澤村さんから上がったボールを綺麗にツーアタックを誘う

(ツーアタック…！)

「…なっ!!」

ﾊﾞﾁｯ

「ゆ、指に弾いてブロックアウト…」

トン、と床に着地して、俺のツーアタックをブロックした徹さんを見る

「がーーーーーっ!!」

『ツーアタックなのは合ってたけど、誰もスパイクするとは思ってなかったでしょ？』

「くっそ腹立つ…」

『あと…俺を焦らす誘導は効かないから』

「ホンットムカつくぐらい冷静だねっ！」

だけど、それでも点差は縮まらなかった

10-5

それが現実だった

「ソアァァ!!! ハイヤーッ」

ﾄﾞｷﾞｬﾝｯ

「ッシャアァァイ!!!」

『日向』

「お！」

前衛のターンで入って来た日向と、月島がサーブ、西谷さんがアウト

『俺多分、ここでタイムアウトだから』

「ん！」

『次のターン、俺はコートを出ると思う』

「なんで…!!」

『足が…震え始めたんだ』

「！」

『あと3回ぐらい続けたら、完全に3セット目フルは無理だ…だから』

「…！」

『このセット、落としたとして…次の2セット目を落としたら…』

「……(ｻﾞﾜｯ」

『ぶっ殺すから』

ー観客席ー

「相変わらず怖いねぇ〜…」

「たしかに…暁くんのあの顔は」

(自身がコートにいる中でも、仲間を信頼してボールを運ぶポジションのセッターを脅かすほどの驚異的なあの存在感と圧倒的な視線
それを掛け合わせてみせられる才能という塊…
そして、誰よりも勝利に貪欲でたとえ仲間であろうと勝つことに手を抜いた相手には容赦のないあの気迫と言葉…
暁は、多分10割で脅してる…次に繋げれない奴は、自分の仲間にはいらない…
そういう奴が、今後1番…コートの中の魔王であり、殺し屋になる)