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『…………え、あの…冗談ですよね?』
「ぶっはっあはははっ、いてててて」
『大丈夫ですか…』
「うん」
震えながら笑っている俺に姫乃ちゃんが聞いてくる。笑いながら頷くと「平野!」と姫乃ちゃんを呼ぶみゃーちゃんの声が聞こえてきた
「呼ばれてるよ、またね」
『え、と…はい、それじゃ」
「バンソーコー、ありがと」
「おぃ…ぉい!おい、佐々木!」
「んえ?」
「急に黙ってんじゃねぇよ、つーか説明しろ。なにがよくて俺の可愛い妹に手を出してやがる」
「えー…姫乃ちゃん、可愛いし」
「だから構い倒すその経緯を聞いてるんだよ。もししょうもない経緯だったらぶん殴るからな」
「ちょ、平野の拳は痛いからやめて!」
あの時からずっと、俺は…
姫乃ちゃんが好きだ
「じゃあ、姫乃のこと」
「んー…ナイショ」
「うわぁ…」
「すご…」
「?」
「チッ」
「え、なんで舌打ちしたの平野」
姫乃side
『っくし!』
「風邪か?」
『いや…』
誰か噂でもしたのか?
ずびっと鼻をすすって鞍馬寺の西門までやってきた
「あれが鞍馬寺の西門や。普通は仁王門の方から入るんやけど、こっちの方が近道でええやろ」
『確かに…近いらしいけど』
それでも、588メートルもある
杉の木をはじめとした大木が鬱蒼と生い茂る中、山道の階段を上り、仏堂が見えてきた
いつの間にか夕方になっており、今日の捜査はここまでとなりそうだった
「ここが僧上ヶ谷不動堂や。牛若丸はここで鞍馬天狗と会うて、兵法を伝授されたそうや」
『へぇ…』
「まあ、確かに剣の修行にピッタリの場所やな…」
周囲を見回しながらコピーの絵と見比べていく
「それにしてもこの杉、でっかいなぁ」
「服部、ここも違う」
『!』
視界の隅で何かが動くのが見えてハッと見上げると、木の枝に立った人物が弓矢で服部を狙っていた
「伏せろ!!」
『服部!!』
「!」
新一の叫び声と同時に私が服部に飛びつくと、矢は服部の背中をそれて杉並木に突き刺さった
矢を放った犯人が枝から飛び降りるのを見て「待てーっ!!」と新一がすぐに追いかけていった
「お、おい!工藤!」
『新一!待って!!』
服部と共に先を走る新一を追いかけた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時