俺に落ちるまで【及川徹】2

56話 ページ7

あ｢…はい｣

及｢ふーん、誰だったの？｣

あ｢従姉妹の鉄くんです｣


花｢Aちゃん従姉妹いんの？ってか鉄くんってまさか彼氏？｣

あ｢違います｣

松｢え〜、松子気になる〜｣

花｢絶対彼氏だよね〜？貴子も気になる〜｣

突然のおねぇ口調になる花巻さんと松川さんは止まらなかった…


及｢ちょっと、俺が聞いてるんだけど！その茶番始めないでくれる？！｣


松｢何よ、徹ちゃんったら〜あたし達の仲間に入りたいの〜？｣

花｢しょうがないなぁ〜もぉ〜入れてあげるわよ〜｣


及｢入らないしやめろって言ってんでしょ！｣


花｢ちょっと岩子も何とか言いなさいよ〜｣


私達の前に松川さんと花巻さんが歩いて、その後ろを岩泉さんと私と及川さんで歩いている状態だが…後ろから見ると本当にこの人達仲がいいんだなって感じる


岩｢でけぇ声出してたけど何かあったのか？｣

あ｢あっ｣

やっぱり皆に聞かれていた
そりゃそうだよね…すっごい大きかったのを覚えてる


及｢ってか及川さんがそれ1番聞きたかったのに！｣


あ｢えっと、今度の日曜日鉄くんが遊びに来るみたいなんです｣

ちょっと急すぎて現状把握できてないです…あははと笑うことしかできない


及｢そいつとは仲良いの？｣

あ｢小さい時からの付き合いなので仲は良い方だと思います｣

及｢ふーん、そいつの事好きなの？｣

あ｢好きです｣

いつも私の事一番に考えてくれるし…悩みとか聞いてくれるし
友だちとして大事な人

及｢それって異性として好きってこと？それとも友だちとして？｣

あ｢え？あ、友だちとして好きです｣

及｢及川さんとそいつどっちが好き？｣

あ｢え、えーっと…｣

さっきからものすごい食い気味で質問攻めされてるのは何故なのだろうか
及川さんと鉄くんどっちが好きかなんて聞かれても

あ｢どちらも好きです…って言えば大丈夫ですか？｣

及｢うーん、及川さんだけ好きですっていう返事が正解だったけどまぁ、今はいーかな｣

あ｢…？｣

及｢俺も好きだよ｣


あ｢っ、｣

夕焼けに照らされた及川さんの顔はいつになく真剣でどちらの意味で言っているのわからなくなるくらい、優しい表情だった


松｢必死かよ笑｣

花｢お前が質問攻めするからAちゃん固まっちゃったじゃん｣


あ｢あの、ここで大丈夫ですっ、ありがとうございました｣

多分このまま及川さんと一緒にいたら取り返しのつかないことになりそうで、違う感情に気づく前に私は逃げるように走って帰った

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