俺に落ちるまで【及川徹】2

94話 ページ45

国｢俺を巻き込まないでもらっていいですか｣




及｢…お前らほんっとにいい性格してるよね｣




岩泉、花巻、松川のお陰でいつもの及川に戻ったのであった。そして午後はいつも通りの青城で力を発揮する事ができたらしい。

及川の不調を見ていた入畑監督も内心ヒヤヒヤしていたらしく、休憩が終がわった後の彼らの様子を見て安心していたらしい


今日の青城の光景は多分、初めてだったという話は青城のマネージャーであるAにも伝わっていたらしい


午後の試合では青城が元に戻り、逆点をし、2日目の練習は終了した。










〜夜〜

あ｢はー、さっぱりした｣

今日は夜ご飯もしっかり食べて稲荷崎の人達と少し話しをした後はお風呂に入った


髪の毛が濡れても暑いし、自然乾燥でいいやと思った私は自動販売機の前に立ちどれを買おうか迷っていた


あ｢あ、飲むプリンもいいな…でもな〜｣

やっぱりお風呂上がりといえばいちごミルクでしょ。ここは冒険して新しいものを選ぼうかなと思うんだけど、最終的には私の好きないちごミルクになっちゃうんだよね



あ｢いちごミルクにしよっかな…｣


お金を入れる前に背後から誰かの手が伸びてきてピッという音とともにガコンといちごミルクが落ちてきた


あ｢え｣


治｢飲みたかったんこれやろ？｣

｢味わって飲んでな｣と私の手を掴んでいちごミルクを持たせた

｢コーヒー牛乳もええよなぁ｣なんて私の後ろで真剣に悩んでいたのは


あ｢宮治…くん｣


治｢なぁ思うてたことあるんやけど…その、フルネーム呼びやめん？｣

あ｢？｣

治｢ツムと俺ら苗字一緒やねん。やから、名前で呼んで欲しい｣


あ｢あ、そうだったよね…ごめん｣


治｢別にええけどフルネームより、名前で呼んで欲しいわ｣


｢あかん？｣と眉毛を下げて頭を傾げてまん丸の目で私を見ながらお願いと訴えかける宮治くんに私は多分｢いいえ｣とは言えなかった


あ｢わ、分かった…治くんでいい？｣

治｢おん、何かええな…俺はなんて呼んだらええ？｣

あ｢何でもいいよ｣

治｢じゃあAって呼んでもええ？｣


いきなりの呼び捨てにちょっと慣れなかったけど治くんならいいやと思った


その後は自動販売機の隣にある長椅子に座ってくだらない話をしたり北さんが怖いという話も聞かせてくれた



治｢Aはほんまに苺好きなんやな｣

そう懐かしそうに微笑む治くんに驚いた


あ｢！…なんで知ってるの？｣

治｢やって俺ら会うたことあるやん｣

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