俺に落ちるまで【及川徹】2

89話 ページ40

角名side


今日から合宿とかまじだるいぐらいの気持ちでやろうとしていた俺だっんだけど…俺と一緒のクラスの治にはどうやらずっと前から好きな人がいるという話を聞いた

治が学校で女子から呼び出されるのは大体、告白の話の方が多い。

そんな治を見ていた俺はいつものように、｢どうだったの？｣と聞けば｢いつも通りや｣という治の返答を聞く限り、また振ったんだなぐらいしか思わなかった…


俺は思った…治の本命は誰なのだろうかと


俺は前に治に｢治って好きな人とかいないの？｣と軽く聞いた。

すると治は｢おる｣と答えてくれた。だけど、誰かなのかは教えてくれなかったけど、青城との合宿で会ったマネージャーの望月さんを見て治の目が見開いていたのを俺は見逃さなかった



青城との練習試合をやってる時、治は望月さんの事をそこら辺の女子と同じ目で見ているって言う感じじゃなかった気がした…あー、好きなんだなって俺は思った



でも、治が望月さんの事を好きという事実はまだどこにもなかったけど、今日の治を見る限りどこか上の空というか変だった気がしたのは確かだった

でも望月さんは多分青城の主将の及川さんが好きなんだろうなって俺は確信した


だって、試合中、及川さんを目で追っていたから。それだけで？って聞かれたら納得はしずらいかもだけど、流石に抱きしめたり頭撫でたり手を繋いだりしてたら…ねぇ？

これはお互い好き同士じゃないと普通はやらないよね…

でも望月さんは自覚とかしてなさそうだけど…

及川さんのアプローチは誰が見ても分かりやすすぎると思う



だから俺は食堂の時に望月さんが本当に及川さんの事を好きかどうか少し試してみた

1回目は、｢あ、及川さんが女子と話してる｣とこの合宿中に女子なんかいないのに必死に俺が指さした方向を見ていた望月さん




２回目は｢望月さんって、及川さんの事好きでしょ｣ととどめを刺すように俺は聞いた


これで何とも思わなければ望月さんは及川さんの事を好きじゃないって事が分かるけど…まさか意外な反応すぎて俺の悪戯心に火がついた

顔を真っ赤にして下を向く望月さんをもっといじめたいと別の感情がうまれそうになったけど、そんな事をしたら俺は気持ち悪がられるからやめようと思ったし、嫌われてしまうと感じた


その後はタイミング悪く及川さんが来たせいで望月さんがその場で硬直したように動かなくなったので俺は退散しようと思ったら、望月さんの声が聞こえた

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