俺に落ちるまで【及川徹】2

53話 ページ4

あ｢あー、長い午後の授業も終わった！｣

あの後は何事も無かったように皆も授業を受け、私も花菜も普通に受けていた


花｢ほんっとに、長かった…何か今日は一段と疲れたわ｣

あ｢何かごめんね｣

花｢なんでAが謝んのクソ川さんが来なければ普通に平和な時間を過ごせたのに｣


あ｢っていうか何で岩泉さんここに居るって分かったんだろう｣

花｢あー、あれね、私が呼んだ｣


ほら、と携帯を見せるとそこにはいつの間にか岩泉さんとLINE交換をし及川さんの位置情報を教えていた形跡が書かれてあった


あ｢なるほど、だから分かったんだね｣

花｢だってあのままにしたら絶対うちらのクラスに居ずわるつもりだったよあの人｣

あ｢確かにね｣


時計を見ると16時25分を指していた

花｢今日も見に行くの？｣

あ｢え？あ…｣

花｢私は今日用事あるから帰るよ｣

あ｢そっか｣

花｢行くの？｣

あ｢…うん｣

花｢そっか。気をつけてね｣

それだけ言うと疲れきった顔で鞄を持って教室を出ていった







〜体育館〜

あ｢…｣


及川さん、あの後大丈夫だったかな…
岩泉さんがあんなに怒ってる所初めて見たかも

今日は少しだけ見て帰ろうと思ってた時誰かとぶつかってしまった


あ｢あ、ごめんなさい…大丈夫ですか？｣


松｢こっちこそ、ごめんな。怪我してない？｣

あ｢はい、私は大丈夫です。松川さんは大丈夫でした？｣


怪我をしていないか確認をする為聞くと何故か私の顔を見て目を丸くして微動だにせず固まっている

あ｢えっと、あの、松川さん？｣


松｢え、あ、いや、ごめん…俺こんな可愛い子と知り合いだったっけ…？｣

あ｢え？私です、望月です｣

名前を言うと、あー！と分かってくれた松川さんに安心した


松｢ごめんね、全然気づかなかった。でも声と喋り方はどっかで聞いたことあんな〜ぐらいだった｣

あ｢気づかなくて当然ですよね｣

松｢ってかさ、めっちゃ可愛いくなったよね…元々可愛いけど｣

あ｢そうですか？｣

変わらないと思うけどな
いや、だいぶ違うか


松｢本気で欲しくなっちゃったわ｣

私の目線に合わせて屈む松川さんと視線が合い、数秒見つめ合う感じになっていた時、及川さんの声が聞こえた


及｢すとーっぷ！まっつん！Aちゃんはだーめ！｣

後ろから私を引き寄せて抱きしめると、頭上から拗ねた声で及川さんが｢あ〜あ。会わせたくなかったのに｣なんて言う

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