俺に落ちるまで【及川徹】2

65話 ページ16

及川side

及｢うぅ…｣


昨日俺はAちゃんに冷たい態度を取ってしまったことを物凄く後悔していた


松｢え、何、何があったのお前｣


月曜日は部活がオフだったから少し早めに学校に着いて、俺が机に突っ伏してた時まっつんが俺を見かけて教室にやってきた


及｢まっつん！聞いてよぉっ…昨日俺、Aちゃんに、Aちゃんにっ｣

松｢なんかよく分かんないけど、どんまい｣

及｢まだ何も言ってないでしょ！｣

松｢なんだよめんどくせぇなさっさと言え、聞いてやるから｣

及｢昨日部活帰りにAちゃんに、会ったじゃん？｣

松｢おー、会ったな｣

及｢でさ、まっつん達が先に帰った後にね、Aちゃんに入部届けの紙渡したんだよね｣

松｢お前、待つとか言ってなかった？｣

及｢及川さんはいっぱい待ちました！…でもっ、昨日あんな空気になったら渡さないと…って思ったから俺Aちゃんに渡しちゃったんだよね｣

黒尾くんが彼氏じゃないって分かってても俺には分かってしまった。俺より仲良さげだったし、距離近かったし、何より俺といる時よりも楽しそうにしてたから

しかも、Aちゃんと手繋い…


って、最後まで言いたくないし！見たくなかったものを見た気がした


何で俺といる時よりも笑顔なの、俺にはあんな可愛い顔見せたことないじゃん、なんで、何で俺じゃないんだよ…

って、俺めっちゃAちゃんの事好きみたいじゃん？！


落とすからとか言った本人が落とされそうとかまじ笑えるよね


及｢はぁ…｣

松｢俺昨日、先帰ったから後のこと知らないけど、どーせお前、感情に任せてAちゃんに八つ当たりしたんだろ｣


及｢なんで分かんの…｣

松｢まじかお前…最低だな｣

及｢だ、だってっ｣


松｢まぁ多分お前が思ってるほどAちゃんはそんなの気にしてないと思うけど？｣

ってか俺は昨日Aちゃんの隣にいた彼氏が気になるわー、なんて俺の気持ちそっちのけだし

ってか彼氏じゃないし！Aちゃんに彼氏なんていないし！


いない…よね…？

松｢Aちゃんがマネやってくれんなら俺、試合前とかはハグとかしてもらいたいわ｣

及｢は？！だめだめそんなの！ってかさせない！｣

松｢Aちゃんは誰のものでもありませーん｣

及｢そ、その内、及川さんの彼女になるんですぅ！｣

松｢その内っていつだよ｣

及｢その内はその内だよ｣


まっつんとこんな会話をすること自体、俺初めてなんだけど

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