第三章第三十四話 ページ44
少し構えると身長の高い方の人が何か思い出したのか仲間に耳打ちをする。
「まてフェイ、確か四年前に、....」
耳打ちとは言っても早朝の路地裏。
ある程度は聞こえた。
確かに言ったんだ、四年前にって。
なんで知ってるの？しかも四年間ってそんな明確に。
まがまがしいオーラ。
この人たち、いや、コイツらは....！！！
闘技場でヒソカが言ってたことを今思い出した。
「幻影....旅団」
「おー、生き残りか。」
「....フィンクス。」
「わーってるよ！！」
彼らは一斉に私に飛び付いてきた。
ヒールとバッグを投げ、彼らの視界を塞ぎ、逃げようとするも、やはり速い。
すぐに二人に囲まれた。
太ももの銃ホルダーから銃を一丁取り出し構える。
「見逃してください。」
言っても聞かなそうだが一応言ってみる。
予想は的中、無理の一点張りだ。
仕方ない。
私は発砲した。
まずは大きい方から！！操作系も混ぜて撃つと右足の太ももに一直線。
いくら避けても私のヒットガンからは逃れられない。
案の定、太ももに直撃だ。
それを何回も繰り返す。
彼はもうボロボロだ。
立つのもやっとだろうに。
「....ほぉ、放出系と操作系か....けど、操作系を重視する....余り威力は減....ると見たぜ....！！」
撃たれてもなお、立ち上がる。
腕を何回も回している。
小さい方は兎に角すばしっこい！！すぐ相手の間合いになってしまう。
なかなか大きい方に発砲出来ない。
落ち着け！！小さい方はあと！！集中！！！
隙を見てちょっとずつ大きい方を仕止めれば！！
「あ、あれ？あの人は？」
一瞬、ほんの一瞬小さい方に気をとられていたばかりに大きい方を見失った。
「こっちだよ！」
振り返ると彼が居た。
念で込められた拳を構えて。
まずい！と咄嗟に堅をするが彼の拳は私の頭を殴った。
「大人しくしてればこんなことにならなかたね。」
「そうだぜ嬢ちゃん。」
ドクドクと血が流れ出ている。
私は、これから死ぬのだろうか。
★
[No目線]
裏道から、ピロロロと携帯の着信音が聞こえる。
その裏道にはゴミ箱からゴミが散乱していてカラスが生ゴミを食い散らかしていた。近くには土で汚れたパーティーバッグと、女物の黒いヒール。
投げ捨てられた銃。
そしてたくさんの血痕。
〜第三章fin〜
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月1日 14時
