第三章第二話 ページ12
二人の所に行ったら二人も五十階だった。
エレベーターに乗り込むともう一人、小さな挑戦者がいたのだ。
お姉さんの説明を聞いて、エレベーターを降りるとその子は「押忍！」と私達に挨拶をする。
「自分、ズシといいます！お三方は？」
「俺はキルア。」
「私はA！」
「俺はゴン！よろしく！」
さっきの試合拝見しましたと褒められるのだが、この子もそうとうすごいと思う。多分ゴンとキルアよりも年下だし。
「ちなみにお三方の流派は何すか？自分は心源流拳法っす！」
「え！私もそうだよ！同じ〜」
「A、流派とかあったの！？」
「俺達はないよな。」
私の師匠はネテロさん。ネテロさんが心源流拳法だったからね。弟子の私もそう。
ズシ君はええ！？と驚いて、自分はまだまだっすと頭を下げた。
その時、「ズシ！よくやった」と拍手とともにこちらに来たのは師範代と呼ばれる人だった。
「そちらは？」
「あ、キルアさんとAさんとゴンさんす」
「初めまして、ウイングです。」
キルアとゴンは押忍！とズシの真似をする。
私は「初めまして。」と普通に挨拶。
ウイングさんは私を見るなり「一角族ですか。」と驚いている。
「Aさんも心源流拳法なんすよ！」
ズシ君はそれだけ言うとゴンとキルアのもとへ行ってしまった。ファストマネーを受け取りに行くのだろう。私も受け取らないとと思い三人のあとを追うのだが、隣にはウイングさん。
「へぇ...。もしかして師範はネテロ会長ですか？」
「はい、四年前に。」
ああ、貴女があの....と私のことを知っている様子。
「ハンターの中でちょとした噂になってたんですよ。一角族の女の子がハンター協会に入っていくというのが。」
「まさかネテロ会長に心源流を教わってるとは思いませんでしたけど。」と笑うウイングさん。
私もあの時はまさかネテロさんに特訓させられるなんて思ってもみなかった。てか、あの特訓を思い出すだけで吐きそうになる。
「A！早くファストマネー貰って来いよ！控え室行こうぜ！」
「うん！それでは」
私はすぐに受付でファストマネーを貰い、四人で控え室に行く。
控え室は男性と女性に分かれていて、「六十階のロビーで待っとけよ！」とキルアに言われた。
もう勝つ気か....。
するとすぐに私の名前と番号が呼ばれ、闘技場へと向かう。
相手はやはり男性。女性の控え室、全然いなかったしね。女性と当たる方が珍しいか。
「それでは、始め！」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月1日 14時
