37の作戦 ページ37
「ただいま!」
「おかえりー。遅かったねー。」
「あはは…。お兄ちゃんとお喋りしちゃってて。」
と、教室に戻りちょっと誤魔化した。いや、喋っていたことは事実である。
皆は丸く囲んで、お喋りしていたらしい。
…さっきからあかりちゃんの視線が痛い。完全に睨んでいる。その視線が痛すぎて、早く寝たいや。
「…。」
私は自分の荷物のところを見る。大丈夫かなと不安で。
ごそごそと中を見る。しかし特に変わったものはない。全部大丈夫みたいだ。
「ふぅ…。」
一気に肩の力が抜けた。残りの合宿、頑張らないと。
_______あかりちゃんがにやけているとは知らずに。
*
翌日。パチリと目が覚める。
体を起こし、目を何回か瞬きをする。辺りを見回すと、私が1番最初に起きたらしい。
「……え。」
いや、前言撤回だ。
「おはようございます、先輩。」
完全に作り笑顔なあかりちゃんが1番最初に起きていたらしい。一気に警戒心が強くなる。あの笑顔に何かあるんじゃないか、と。
私はわざと、携帯を画面を見る振りをして、録音ボタンを押す。
私はあかりちゃんの視線なんか気にしないで、荷物のところに行き着替えの洋服を手に取る。
「…あ。」
気付いてしまった。あかりちゃんの笑顔の正体を。なんだ。やっぱり鉄朗の言っていた通りだ。
バッグの中に入っている、大事なもの。
「大事なもの、なんですよね?」
後ろから、憎ったらしい声。
「…アンタがしたの。」
「はい!」
嬉しそうな声。手が出そうだ。その顔を見たくない。
________実は、バッグの中に入っていた“鉄朗とお揃いで買ったキーホルダーが粉々になっていた”。
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つーぼ - 最高っす (2020年8月11日 20時) (レス) id: f4d4b73c32 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - _柘榴石_さん» ありがとうございます。頑張ってきます! (2020年2月14日 5時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
_柘榴石_(プロフ) - 無理せず自然体で頑張ってくださいね。更新待ってます! (2020年2月12日 20時) (レス) id: 1e4618e274 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - れん。さん» ありがとうございます!!時間があるときに更新します。頑張ります! (2020年1月30日 16時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
れん。(プロフ) - 合格おめでとうございます!いつも楽しく見てます。更新頑張ってください (2020年1月29日 12時) (レス) id: 18f6533485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノン | 作成日時:2020年1月12日 21時