アンタの作戦には乗らないから。【音駒】

３１の作戦 ページ31

ぼーっとしている間に夜になっていた。






夏なのでもちろん気温は高く、汗が出て暑いが、夜は冷たい風が吹いて涼しいのだ。









　
私は散歩がてらに体育館近くまで来ていた。




_______その体育館が、第三体育館と気づかずに、だ。









あぁ、星がたくさん出てる。明日も天気は晴れだな。と思いながら。









　
(…ん？)









　
その時。静かなここで、誰かの声がすることに気付く。









　
「オーライ！」


「おい木兎！それはずるいぞ！！」








　
(んん？)









　
私の近くには明々と体育館の電気が輝いている。そして、キュッというシューズの音。









　
皆が休んでいる間にまだバレーをしている者がいるのか。


休むのも大事なことというのに…。









　
そんなことを思いながら、やはり誰がいるのか気になりちらっとドアから覗く。









　
すると、トサカがいるのに気付く。









　
「…バレー馬鹿か。」









　
ぼそりと呟くと、









　
「ちょっとーそれは人のこと言えないと思いますけどー。」









　
その言葉を兄は聞いていたようで。









　

「げっ。」


「“げっ”とは失礼だわー。」









　
しかし、









　
「！Aさんだ！」


「ひ、日向君…！」









　
あのオレンジ色の髪、なんと日向君もいるじゃないか。感激で声のトーンが上がる。









　
「…全然態度違うんだけどお兄ちゃん悲しっ。」


「どんまいとしか言いようがないですね。」









　
赤葦君が兄のフォローをするが、そんなフォローはしなくていいと思う。勝手に凹んでていいよ。

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