アンタの作戦には乗らないから。【音駒】

２６の作戦 ページ26

体育館へ向かうと、









　
「もう！A先輩、寝坊は駄目ですよ。」


「あはは…。ごめん、あかりちゃん。」


「全く。もう…。」









　
優等生みたいなオーラを出して怒られた。プンスカ、と怒って両手を腰に当てて。









　
「あ、そうだ。私、ちゃーんと仕事しましたから。」


「ありがとう。」









　
皆にちょっとした謝罪をし、外でスポドリ作りに。


あかりちゃんのキャラの情緒不安定さがすごい。









　
さて。今日は何をしてくるのか。





　
タイミングを狙って、ポケットに入っている携帯の録音ボタンを押す。









　
「…ちっ。あ、手が滑ったー。」


「！」









　
ベチャッ。


その時。まさかのすぐだった。









　
彼女は水だけ入った容器を手に取って、私の頭から濡らしていった。









　
水は少なめだったが、このままにしておくと風邪を引くだろう。









　

「…。」


「あははっ！ざまあですね。」





　
「…着替えてくる。」


「え？また私1人ですか？」









　
お前がそうしたんだろ。何言ってんだ。





　
堪忍袋の緒がキレそうだ。あかりちゃんのニヤッとした顔を見たくない。









　
「休憩時間までには戻るから。」


「はいはい。」









　
…良かった。何が良かったって。









　
“休憩時間が来てしまったら、また大袈裟に騒がれてしまうから”。









　


　






　
ただ、じっと私が我慢すればいいのだ。




キレるにも、その気力がなくなっていく。









　
あぁ、面倒だ。体がだるい。









　


　

　


　
皆はここで、成長しているはずなのに。



　
私には何も成長が得られない。

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