アンタの作戦には乗らないから。【音駒】

２５の作戦 ページ25

翌日。


目を開けると最初に見たのは天井_______ではなかった。









　
「おはよーございマース。」


「……はい？」









　
目を開けると_______黒尾鉄朗がいた。なぜ。女子しかいない部屋になぜ兄がいるのだ。







　
いや待て。この部屋に私と鉄朗しかいない…！









　
「誰だお前。」


「キャラ変わってるぞ。」









　
と、そんなツッコミは無視してゆっくりと体を起こした。









「…あ。」


「随分とぐっすり寝たんですねー。」


「あああああああ！？」









　
寝坊した。なんで。めざましはかけていたはずなのに。


やばいやばい。これは怒られる…！









　
「い、急いで着替える！だからこの部屋から________」


「あぁ大丈夫大丈夫。」


「え？」


「俺ら部員も、もちろん監督も、何かと察しているから。しょうがないって顔を皆してたけど。」









　
ははっ、と薄く鉄朗は笑った。




　
でもこれは寝坊をして、マネージャーの仕事はしてなくて。完全に迷惑な話だ。









　
「あかりちゃんは？」


「あぁ。ちゃんと仕事してくれるんだけどさ、顔に出ちゃって…ぶふっ。」









　
今度は声に出して思いきり笑っている。


本人には失礼だぞ。






　
しかし申し訳ないことをした。あかりちゃんには。









　
______でも今までのことは許していない。


もちろん許す気はない。









　
＊









　
「じゃあ着替えるから。」


「え？ここにいちゃダメなの？」


「駄目でしょ変態。」









　
鉄朗は平然とした表情である。









　
「小さい時は一緒にお風呂入った仲なのに…。」


「それは小さい時の話でしょ！？」









　
なんか誤解を招きそうな表現だよ、それ。

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