アンタの作戦には乗らないから。【音駒】

１８の作戦 ページ18

そして始まった練習試合。



　
合宿なので、きついイメージがあるけど“楽しんでいる”。









　
私は少し、きついけど。









　
「A先輩ースポドリお願いしまぁす。」









　
本当にキャラどうした。







　
皆が頑張っている中、自分はサボりか。


外で作っているので、皆からサボっている様子は見えない。









　
私は反抗はせず、ただ作るばかりだった。









　
＊









　
休憩時間になった。









　
「配ってきますねー。」









　
とっさにあかりちゃんはスポドリを“全員分”いっぺんに持って行こうとする。




1人で全員分は流石に重い。









　
「あかりちゃん、重たいから_______！」









　
私が言う時にはもう遅かった。









　
そして、立ち位置を先に把握しておこう。


彼女の後ろに私は立っている。









　
________これはしまった。









　
「いっ、たぁい…。」


「大丈夫か！？」









　
あかりちゃんはスポドリを落としてしまった。バラバラッと。






　
運が良いのかわからないが、落として中身が出たのは外だったので体育館の床は無事。









　
「ふぇ…。ひっ、く。」









　
なんで泣くんだろう。膝が少し痛むくらいで。









　
「…Aせんぱ、いにッ…押されましたぁ…。」









　
は？



　
いやいや。待て。









　
女子の涙には弱い、とよく聞くけど…。









　
こ う い う こ と か。









　
アンタの作戦には乗らない、と言ったはずなのにまんまと乗ってしまった。

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