Only Love

＊ ページ24

あの日から
紫耀とは普通に話せるようになった


紫耀への気持ちは隠したままだけど
それでもすごく、楽しかった



今日は廉の単独の仕事で
珍しく廉と2人きり




廉「そーいや、Aちゃん子供おるんやんな？」

「そーだよー」

廉「男？女？」

「女の子」

廉「女の子かぁー！ええなぁー！名前は？」

「しほって言うの」

廉「へー！どんな字書くん？」






…



紫耀から1文字もらった名前。

なんだか言いづらくて…
気持ちがバレてしまうような気がして…

言えなかった。





「"志し"に、"稲穂の穂"って書くんだ」

廉「そーなんや。会ってみたいわ〜」

「いつか連れてくるよ、遊んであげてね？」

廉「え、ほんまに？！絶対やで？」

「うん笑」





廉はいつもお喋りで
常に話が尽きない。笑

紫穂も喜ぶだろうな笑




「本番始まる前に、ちょっと売店行ってくるね、何かいる？」

廉「あーほんなら、水お願いしてもええ？」

「ん、了解ー」




軽く返事をして
財布からカードを取り出し
急いで控え室を出た。





今日はお昼食べ損ねちゃったから
サンドイッチでも買っておこうかなー


なんて思ってたら…




売店に、見覚えのある顔…





裕「…A？」

「裕也…なんで…」

裕「雑誌の撮影で、今日はヘアメイクの担当入ってんの。そんな嫌そうな顔すんなよ。笑」

「…」

裕「仕事、復帰したんだな」

「…うん」

裕「そっか。俺も最近本格的にヘアメイクの仕事やってるから、また会うかもな」

「…そうなんだ…」

裕「…なぁ、A…」

「ごめん、もう時間だから行くね。じゃ」

裕「おい、A…！」





後ろで呼ぶ声を無視して
私は控え室に戻った





廉「早かったやん…って、水は？笑」

「あ…ごめん、忘れちゃった」

廉「なんでやねん。笑」

「ふふ、ごめん笑」

廉「まぁええわ、撮影行こーや」





廉にそう言われ
カードを財布に戻そうとしたら
財布の横に免許証が入ってた



…さっきカード出した時に
一緒に出てきたのかな？




落とさなくてよかった…





撮影用のメイクセットを持って
急いでスタジオに入り
廉の撮影風景を眺めてた。





やっぱり、大人になったな…



廉の見せる表情ひとつひとつが
昔とは違う。



表情が、深くなった…っていうのかな



それは、紫耀も海ちゃんも
神くんも岸くんも同じ




どんどん
存在が遠くなっていくような


そんな気がした…

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