俺の幼馴染みはクール系女子と見せかけて異常なくらいのキセキ好き【黄瀬涼太】

推し２１ ページ23

赤司side



初めて話したあの日以来。








七島A………彼女が気になって仕方ない。




特別可愛いというわけではない。こう言うのもなんだが、彼女の長所は勉強くらいだと思う。




女子らしいかと言われれば、即首を横に振れる。



そう、女子らしさというものがない。それなのに、彼女の笑顔は可愛い。







たまたま虹村さんとばったり会って、一緒に登校することになった時。





目の前に七島が見えて、ラッキーだと思った。




なのに、隣には男がいた。後から灰崎と分かったが。



二人は口喧嘩をしながらも楽しそうに話していて、少しモヤッとした。




灰崎はもちろん、虹村さんにでさえ「修ちゃん」呼び＋タメ口なのに






俺には敬語で、「赤司くん」呼び。







誰かを羨ましく思ったりするなんて、俺らしくもない。






けど彼女の隣には、灰崎でも、虹村さんでも、他の男でもなく









俺が居たい、そう思った。









こういうのを「独占欲」というのかな？…なんとも不思議な感情だ。



柄にもなく、ライバル宣言をしてしまったしね。









「緑間、聞きたいことがあるんだが」

「？何だ」

「お前は、七島をどう思っているんだ？」

「！？なッ、何故七島が出てくるのだよ！？」

「まぁまぁ。で？どうなんだ」

「………べ、別にどうも……人事を尽くせている真面目な奴だと思っているだけだ」



ふふ、相変わらず緑間は嘘が下手だな。



そんな顔を真っ赤にしておいて、どうも思っていないことはないだろう？






ということは言わないが。




「なるほど。なら、俺が貰っても構わないということだな？」

「…ッ！？な、ど、どういう……」

「緑間が何とも思っていなくて安心したよ。ゆっくりアプローチしても大丈夫そうだ」



そう言って微笑むと、緑間は気まずそうに目を反らした。



確かにお前の方が、七島と話した時間は長いだろう。








だがな、緑間。そんなのは関係ない。









俺は本気で彼女を貰いにいくぞ？

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