【急募】夫が私の元ストーカーだった場合の対処法

６話 ページ10

・


国見side


「おはようございます」


都会でもひときわ目立つビルの中に入り、周りに挨拶をする。ここが俺の職場だ。

所々から「おはようございます‼」とか「今日の仕事なんですけど…」とか「国見ちゃんおはよう☆」とか…

・

・


・

最後の言葉は聞こえなかったふりをする。

「国見ちゃん‼無視なの⁉及川さん悲しい‼」


「おはようございます。及川さん、とりあえず地に埋まっ…じゃなくて国見ちゃんはやめてください」


「お、おい国見一応及川さんは上司なんだから…」


「金田一‼一応って何？一応って‼」


隣で俺をなだめてきたのは、中学からの同級生の金田一

そして、朝からうるさいのは同じく中学からの先輩の及川さんだ。


「そういえば、国見。今日来るの少し遅かったな。もしかしてこの前の風邪まだ治ってないんじゃ…」


「やだな〜金田一きっと国見ちゃんは、あの可愛い奥さんと昨日も夜遅くまで…」


「金田一、風邪は大丈夫。そして及川さん、今の発言はセクハラですか？訴えますよ」

「じょ、冗談だよ‼」

「おいクソ川‼後輩にセクハラするんじゃねえ！！仕事しろ‼」


遠くから岩泉さんの怒鳴り声が聞こえた。その後に及川さんの悲鳴も。


時間の無駄だったな。

こんなことより仕事を終わらせて、定時には帰らな

いと。Aと少しでも多く時間を過ごしたいし

そうして、パソコンに向き合う

「ねぇねぇ、国見ちゃ〜ん」

カタカタカタカタカタカタ(キーボード音)

「ちょっと国見ちゃん⁉無視⁉」

この書類明日までだ。これを優先しないと。

あとはこれを岩泉さんにお願いして…


「…国見ちゃんの奥さんってさ〜」


「妻が何か？」


「反応はやっ‼ほ〜んとうに愛妻家だよね」


「どうも。それでAが何か？」


「あのさ〜子供作らないの？」






「岩泉さーーーーん‼及川さんに、堂々とセクハラ受けましたーーー‼」

「ちょ、セクハラじゃなくて‼大声やめて‼」

「信じられないです。後輩の奥さんをそんな目で…

いちいちよその家の事情に突っ込む暇があるなら、

仕事を…」


「ご、ごめんって‼でも、そんだけ仲がいいのにいないからさ〜結婚して1年は経ってるし…」


「はぁ。俺のことなんかより、自分のこと心配したほうがいいですよ」

「へ？」

ほら、及川さんの後ろに鬼(岩泉さん)が

「く〜そ〜か〜わ〜〜」

「い、岩ちゃん…これは違く」

ぎゃぁぁぁぁぁぁ




「…仕事しよ」





・

７話→←５話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す