7話 ページ10
「ん……?」
『放課後、クリスタルガーデン裏に来てください』と書かれた手紙。仕方なく来てみたのだけれど。
誰もいないのでは、何もしようがない。やはりイタズラだったと思い、帰ろうとした、その時。
「ねえねえ、女王様?姫様が無事じゃないよん?」
軽い男子の声が聞こえる。振り返ると、さっきそこにはいなかった羽海の姿があった。
「────!!」
羽海はボロボロで、口からは血を出していた。それに、腕は変な方向に曲がっている。
「どうしたのっ、今すぐ病院に──!」
「おっと、ごめんなさいねぇ」
手を伸ばしたら、避けられる。怒りを感じ、ランクダウンを宣言しようとした、が。
「あらあら、あたしの子分は姫君を殺りすぎちゃったみたいねぇ♡おつかれっ♪」
背後から憎い姫香の声がした。全てを理解し、ぷつりと音を立てて自分の中で何かが切れた。
「なんのために……これをやったのかしら、姫香」
姫香を病院に送ったあと、男子達は退学になり、姫香はランクダウンとなった。
今は先生が話し合いの準備をしている。
「勿論、大輔を手に入れるため!」
は?と喉まで出かかった声を何とか抑える。大輔は私の彼氏なのよ、何を言ってるのかしら。
「意味が分からないわ」
「あたし、桜国の一員になってみたい!」
「頑張ったところで無理よ。貴方の会社は私の会社の管理下にあるのだから。残念ね」
「そうね、だからあたし、魔女になるわ!」
大きく目を見開く。まさか、【魔女】が生まれるだなんて──!!
魔女になると、(宣言をすれば誰でも魔女になれる)一週間だけ桜国の仲間入りが出来る。その代わり、期間が終わると女王からの制裁を食らう。
その制裁を決めるのが、女王裁判と言われるものだ。
そんなの、数十年やっていない制度だから、私も忘れかけていたわ……美春すら知らないわ。
「覚悟は出来てるのかしら」
「出来てる!桜国に入ってる間に会社が出世して、大輔を手に入れて、本物の【女王】になるの!」
────そう。そういう事。
貴方は私を潰したいのね。
ならば私が返り討ちにしてあげるわよ。
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水彩さん(プロフ) - 新垣好き。顔面も性格もめっちゃくちゃ好み。白髪に赤い目はマジで最強だと思う。無気力に目を細めてるの可愛い。 (2023年2月5日 16時) (レス) id: 4cafde4cc5 (このIDを非表示/違反報告)
♡may♡ - 智子ちゃんなに考えてるか分からなくて怖い笑(でもそこが良い) 北桜姉妹好きだ〜〜 (2023年2月5日 12時) (レス) @page48 id: 36194cd75e (このIDを非表示/違反報告)
JJ(プロフ) - めっちゃ面白い!大好きな作品です みんなキャラが立ってるし、設定も凝ってて何度も読み返したくなります!主人公のカリスマ悪女っぷりが最高💖占ツクにこういうオリジナル作品もっと増えてほしい⋯⋯ 推しは瑠華様、美春さん、姫香ちゃんです! (2023年2月4日 17時) (レス) id: 4ba4d42a9b (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 面白かったです!! (2022年1月10日 13時) (レス) id: 7670bcb048 (このIDを非表示/違反報告)
ただの森(プロフ) - ららちゃんがすこ・・・((( (2019年3月22日 17時) (レス) id: e652f182c4 (このIDを非表示/違反報告)
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