桜麗華学院の〈桜国〉

13話 ページ39

始めに新垣がカードを出す。しかし、誰もダウト宣言をしなかった。

次に真理子がカードを出す。

「ど、どうしよう……カードが無かったわぁ」

と言い、2のカードを出した。これは分かりやすい罠ね。

「だ、ダウト宣言します！！」

そんな状況でも、純粋で馬鹿な子はいたのだけれど。宣言の主は咲花だった。

「は？何信じてんの？バッカじゃねーの！！」

真理子は男らしくがははっと笑う。智子も「ふふ」と静かに笑い、咲花の精神を攻撃していく。

あの姉妹は仲が良い。だから、お互いに攻撃する事は無いと思うわ。


時間が経つけれどまだ決着が付かない。未だノーミスなのは新垣と智子だけ。

新垣の場合は無表情すぎて嘘なのか本当なのか、選別し難い所もあるのかもしれないわね。

それに、ダウト宣言をまだ一回もしていない。それが失点に繋がらない一つの理由でもあるわ。

「じゃあ次は私ねっ！あと残り一回しかミス出来ないから、慎重にやらなくちゃねっ」

「ダウトォ！目がきょろきょろしてんぞー！」

咲花に冷や汗がだらりと垂れる。真理子はカードが破けるくらいの勢いで捲ると、それは嘘のカードだった。

「ざーんねーん」ペロッと舌を出す真理子。咲花は悲しそうな顔で席に戻った。

「次はオレだな。じゃあ……これか？」


「───ダウト、東雲」

無言の新垣が初めて言葉を口にした。

「は！？お、お前……」

新垣は音を立てず静かにカードを捲る。無論、それは嘘のカードだった。これで東雲のライフは無くなる。

「あの新垣クンやりますねぇ」

その後、連続ダウトで真理子が脱落者となった。智子が笑っていたのは、誰も知らない。




「───では、敗者復活戦スタート！」

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