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昨日の事が頭から離れず、私は登校してからずっとため息ばかりをついていた。
テスト10分前、机に突っ伏してうーんと考え込む私。
『はぁ・・・』
またため息をついてしまう。
すると、急にギッという木が軋む音がして、顔を上げた。
顔を上げて、最初に見えたのは、優の不安そうな表情だった。
「Aどしたん?さっきからため息ばっかしついてるやんけ・・・テストが不安なん?」
『・・・それもある』
「それも?他になんかあるん?」
首をコテンと傾げ、私のことをじっと見ながら聞く優。
他にあるというのは違うわけではないが、あっているというのもなんか・・・
『いや・・・うん・・・まだ熱あんのかも・・・』
「えぇ!?大丈夫!?テストまでもう時間ないからそれしか言えへんけど・・・と、とりあえず・・・頑張ってテスト終わるまで耐えてーな?」
私の頭を優しく撫でて、眉を下げ、心配そうな目で優は私に話す。
私は、私の頭を撫でている優の手を掴み、そっと下ろした。
『大丈夫。ちゃんとテストは受けるよ。一ノ瀬先輩、浦田先輩、志麻くん、センラさん・・・そして相川・・・皆に教えてもらったんだから、やれるところはやるよ』
「・・・うん。僕も頑張るから、一緒に頑張ろな」
『うん』
私の返事と同時に先生が入ってきた。
テストが配られ、2、3分後にテスト開始の合図である鐘が鳴った。
テストが始まると、シャーペンの書く音しか聞こえない。
私はずっと走らせていたペンをピタッと止め、頬杖をついた。
【付き合ってるんですか?】
『・・・・・・』
【なんで僕のときはあんなに否定したのにさかたんの時は別にだけなんですか?】
小学校の頃、たまに恋愛とかの小説があったから知っている。
もしかしたら、真冬がしていたのって・・・
“嫉妬”なのかもしれない。
そう考えると、また顔が熱くなっていく。
『っ・・・』
ゴンッ
「うお!?・・・水上・・・大丈夫か」
『無理ですもう本当に無理です』
結局、1日目も2日目も集中できたのは最初の方だけで、最後の方は全く集中できず、最終的に保健室行きになった。
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2020年1月18日 15時