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Aside
はじめちゃんはすぐに近くにあったテーブル?を動かして、
上に登っていく。
「はじめちゃん、何する気?」
「決まってんだろ!椎名さんを降ろさないと。」
「無理ですよ!」
はじめちゃんはどうにかして椎名さんを降ろそうとしてるけど、
私は足が何故か動かなかった。
「でもこのまま吊るしたままって訳にはいかないだろ!」
私は美雪ちゃんの後ろで何も出来ずに居て、
ただただはじめちゃんを見てることしかできなかった。
ドンッ!
「痛って…。」
「先輩!」
「はじめちゃん!」
はじめちゃんが高い所から落ちて、美雪ちゃんと佐木くんが駆け寄った。
「届きっこないですよ!」
「佐木、皆を呼んで来てくれ!」
「あれ…Aちゃん?大丈夫?」
「あ…。」
はじめちゃんはなんですぐに冷静で居られるんだろう。
私、ダメだな…これじゃ、皆の足でまといじゃん…。
「A?」
「Aちゃん?」
「ごめん…はじめちゃ___」
・
椎名さんを降ろすのに必死で、Aを守れてやれなかった。
「ごめん…はじめちゃ___」
「おい、A!」
「Aちゃん!?」
ゆっくりと倒れるAを俺が受け止めて顔を見る。
ただ気を失ってるだけ…か?
「ごめんな、A。」
「はじめちゃん…Aちゃんね、ずっと無理してたんだと思う。」
「え?」
「ここ最近、立て続けに事件に巻き込まれたりしてるでしょ?
だから疲れが溜まってたりして…。」
「なんで俺に言ってくんないんだよ。」
「多分、言えなかったんじゃないかな。
Aちゃん、はじめちゃんに心配かけたくないって何度も言ってたから。」
俺の胸の中で寝ているAの頬を優しく触る。
無理させてごめんな、A。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時