▽ ページ19
Aside
しかも川島さんたちの様子も少しおかしい。
「怨念?」
「まさか…あいつがこの島に?」
「バカな!大体、あいつはまだ死んでなんか…。」
・
「ねぇ見て?雪降ってる!」
「「真夏に雪なんか降るわけ…何で!?」」
不思議に思って、佐木くんと一緒に前に出て空を見た。
「わぁ〜。」
「んっ…?あ、ねぇ見てこれ!」
「ぅぇ…これ雪じゃなくて砂ですよ!」
「ほらっ。」
「えっ?何で砂が空から降って来るの?」
「砂の雪?」
不思議な現象…なんで砂??
「竜巻の影響だよ。」
「「竜巻?」」
「あぁ。台風が来ると島の近くの海上で竜巻が発生し、
海岸の砂を巻き上げる。この島じゃ、珍しくない光景だ。
そろそろ昼飯の時間だ。人間、こんな時にでも腹はへる。
準備、頼むな。」
「はい、すぐ支度します。」
川崎先生に会釈して移動しようとした時、川島さんが入ってきた。
「おい!椎名がいない!消えた。」
「私達はもう一度研修所の中を捜してみる。」
私達は椎名さんを捜すために、もう一度外に出た。
「あっ、ねぇねぇこれ見て!」
「もしかして椎名さんの足跡じゃ…。」
「行ってみよう。」
砂の上の足跡を追っていくと、目の前には礼拝堂。
「はじめちゃん、これって…。」
「ここって昔、死んだ人たちを追悼したって…。」
はじめちゃんが扉を開けて中に続けて入ると、
椎名さんが高い天井に首を吊られて亡くなっていた。
84人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時