ヒロイン!132 るすside ページ42
まふまふは、一人でもAssassineのところへ行くと言った。
そこにヴァンプがいるかどうかは、正直まだ断言はできない。でも、可能性は限りなく高い。
る「迎えにいく必要なんてあるん?俺らよりあいつの方が『強い』じゃん。」
素直な感想だった。
能力を使ってるなら、別に俺らが行かなくても大丈夫だって思ったから。
するとまふまふは、俯いてポツリポツリと喋り始めた。
ま「…あのとんでもない力の副作用は、体力だけじゃないんだよ。僕たちの血を吸ったら、ヴァンプは能力を解除するまで別のことでも苦しまなきゃいけないんだ。」
言葉を濁してる。
きっと、俺らに勝手に話していいような話じゃないんだろう。
ま「それにね、ヴァンプすごく怯えてた。姫の一件があってから、僕らに対しても警戒してた。さらわれる前だって、何かを怖がってた。皆さ、すぐ忘れすぎじゃない?あの子は僕らより年下の、ましてこの部隊に入ってまだ数日の女の子だよ?」
みんな、押し黙っていた。
ヴァンプは冷静で大人びているから、つい年下ということも、最近この血みどろの世界に入ってきたということも忘れてしまうのだ。
ま「僕はヴァンプを守るって決めてる。皆だってそう言ってたじゃん。たしかにヴァンプの力はチートだよ。チート級だけど。…相手は姫だよ?」
まふまふの言葉にふとイギリス戦の記憶が蘇る。
自分に嫌がらせをしてきた相手を護ったあの後ろ姿。
他人を見捨てる強さに欠けてる少女。
ま「力が強いからなんなの?あの時のヴァンプは皆を守るために必死だった。あの意思は確かに強かった。そらるさんに逃げろって言われて僕は皆を見捨てて逃げようとしたのに。あいつは諦めなかった。そこに僕は憧れた。僕らは憧れた相手すら、命の恩人すら、助けることのできない弱い奴らなの?守るって宣言した相手のことすら『あいつなら大丈夫』って言い訳して逃げるつもりなの?」
ぐさり、心に刺さった。
あいつなら大丈夫、って言い訳して、俺は自分の立場を守ろうとしてたって気がついた。
ヴァンプがいとも簡単にさらわれてしまった相手だ。正直内心めっちゃビビってた。
逃げようと、してた。
ま「僕はもう、守れないのは嫌なんだよ!!!!!」
悲痛な叫びだった。
そ「…俺どうかしてた。隊員を守るのは、リーダーの俺の役目なのにな。」
そらるさんが、そっとまふの手を取る。
みんなの意思が揃った瞬間だった。
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神咲のあ(プロフ) - ももさん» ももさん、初コメありがとうございますー!!!ほんとに励みになりますありがとうございます。亀更新ですが是非是非これからもよろしくお願いします!!! (2018年4月13日 9時) (レス) id: 0cca539cb5 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 初めてのコメント失礼します…!いつも続きの展開が気になってソワソワしてます(*´u`)無理なさらず頑張ってください…!応援してます! (2018年4月5日 21時) (レス) id: 514ce4152b (このIDを非表示/違反報告)
くりふわ@想伝(プロフ) - ああああああああああああああ天月すん!!!嬉しい!!!やばい!!(語彙力)取り敢えずありがとうございます!!!!!!!!! (2018年3月16日 19時) (レス) id: 77ed961b3e (このIDを非表示/違反報告)
神咲のあ(プロフ) - ヨワムシうさぎさん» ではツイッターにリプ送らせていただきますね! (2018年3月16日 15時) (レス) id: 0cca539cb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨワムシうさぎ - 神咲のあさん» えっと、URLの貼り方というかそもそもURLがなんなのかわからないのでツイッターでよろしいでしょうか? 私のアカウントは「月夜の黒兎 @blackrabbit9603」です。 (2018年3月16日 15時) (レス) id: 9999d2d00f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神咲のあ | 作成日時:2018年2月12日 18時