ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！９９ ページ5

2人がいなくなってすぐ、運ばれてきたご飯に吐き気を覚えた。

献立は、ご飯に味噌汁、焼き魚、卵焼き、ほうれん草のおひたし、みかんゼリー、緑茶。

メニューが嫌、とか、アレルギーってわけじゃない。

ましてここにくる食材が腐ってるとかでもない。

…なぜか食べられない、のだ。

「う…っげほげほげほっ」

胃がふわりと浮くような感覚と、喉まで押し上げられてくる胃液の味がさらに気持ち悪さを倍増させる。

「どうしてだろ…」

拒食症ではない。女だから多少スタイルを気にすることもあるが、そこまで追い込んだことはない。

それに、坂田さんやまふまふさんと鍋に行った時はちゃんと食べられた。

でも、なぜかここで出されるご飯は気持ち悪くて食べる気が起きない。

そもそもその前ってご飯どうしてたっけ。

特別部隊に入ってすぐは、姫さんにいびられてご飯食べるの面倒で…あ、でもそらるさん達とご飯行った時はちゃんと食べられたよな。

その前…は。

伯母さんの家にいたときは、私と伯母さん達は別々にご飯を食べてた。

別にそれはいじめでもなんでもなく、むしろ私が変に気を使うといけないからという配慮でそうなっていた。

そういえば、私料理へったくそで美味しくなかったんだよな。

だから、あんま食べてなかったんだっけな。

「…ごちそう、さまでした。」

どうしてもご飯に手をつける気になれずに布団に潜り込む。

食べてもいないくせに、やけに胸焼けがした。

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