ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１２５ ページ35

頭が回らなくてよくわからない。けど。

窮地に立たされてしまったことと、とりあえず天月は私の味方ではないということがわかった。

「とりあえず目隠し外してくれない？それともそうゆうプレイが好きなの？」

とはいえ大して怯えてないのが現状。

人間って多分、本当によくわからない状況になると脳が開き直ってしまうんだと思う。

天月は舌打ちをすると目隠しを外してくれた。

「うわぁほんとに凪月じゃん。久しぶり。」

信じてなかったわけじゃないけど。

凪月は私の幼馴染。出会いは覚えてないけど、気がついたら隣にいた人。

天「Aってこんなに肝座ってたっけ？それとも、人殺して人格でも変わっちゃったの？」

にへら、と不気味な笑い方。

「あははははっ、なにその笑い方ぁ！へんなのっ、ほんと面白いあはははははは！！」

急に柄でもないニヒルな表情なんかされたら笑うに決まってる。

だってコントにしか見えない。ゴリラがシンデレラ演じるくらいの柄じゃなさ。ほんとに面白い。

目覚めた時、横にいるのが天月じゃなければもっと怖がってたと思う。

でも、なんていうかもう、笑うしかなくなってる。

天「状況、わかってんの？これからあんたは研究されて死ぬんだよ？」

吐き捨てられた冷たい言葉に笑いがピタととまる。

研究されて、死ぬ、ねぇ。

「私だってまだよく分かってないこの力を研究したいなら勝手にどうぞ。ただ…。」

研究するならすればいいと思う。勝手にどうぞって感じ。

天月。ほんとはね、私今死ぬことより、あなたが私の敵だったって事実を受け入れたくなくて苦しいんだよ。

笑うしかない。だって笑ってないと、泣きそうだから。

「力が暴走しても私は責任取れない。」

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