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保健室、秘メゴト_1 ページ9

(学パロです
森さんは保健室の先生 Aさんは生徒 です)


昼休み。
保健室の入口の前で、スカートを折った。
ガラリと保健室のドアを開くと、両者の、あっ、という声が重なった。

「…またカップ麺食べてる…。」

Aがそう言うと、森先生は苦笑した。
先日、栄養の偏りは良くないだのなんだの講演会で言ってたのに。Aは呆れた。
入口に立ったままでいると、おいで、と手招きされたので、森先生の横にある椅子に座った。教室にある椅子と同じなので硬い。先生はぐい、とカップ麺のスープを飲み干すと溜息をついた。

「私もねぇ…カップ麺だけじゃダメだと分かってはいるんだが…作るのが面倒くさくて」

卵焼きとか唐揚げとか食べたい、と机に頬杖をつきながら文句をこぼしている。コンビニで買えばいいのに、と思ったが言わなかった。

「…私が、作りましょうか」

なんて。
聞き流されてもいいような小声で呟いた。
Aはお弁当を自分で用意している。しかし、中身ほとんど冷凍食品だ。自分で用意するのは卵焼きぐらい。
…もし森先生に渡すなら、頑張って作ろうかな。聞いていないだろうけど、と思いAは森先生の方を向くと、子供のように目を輝かせていた。

「いいのかい?!」

周りにお花が飛んでるように見えるのは気の所為だろうか。満面の笑みで、森先生が可愛く見える。
…もうおじさんなのに。
なんて言った?と聞き返されると思っていたため、この反応は予想外だった。Aは、今更恥ずかしくなり、目を逸らした。

「あ、味の保証はしませんよ」

森先生は、良いんだよ!と嬉しそうに返事した後、猫背気味の姿勢を正し、タイピングを始めた。
鼻歌なんかも歌いだして、えらくご機嫌な様子でまた恥ずかしくなってきた。
Aは、明日から早起きしよう、と心の中で意気込んだ。

2→←午前10時の珍事



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設定タグ:森鴎外 , 文スト , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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あとり(プロフ) - さらささん» ありがとうございます;;ちょっぴり苦いお話にしちゃってすみません;私の確認不足でした… あああ本当ですか!嬉しいです……!!これからも精進して参ります! (2019年12月15日 19時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - すてきな話をありがとうございます 森さんも夢主ちゃんもお互いに想いあっているみたいだけど色んな思いが交差してもう一歩踏み出せない感じですね リアル感があってとてもいいです いやあ 作者様の文才がうらやましいです これからも無理のない様に頑張って下さい (2019年12月13日 15時) (レス) id: a0220cc930 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 白しらすさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…! (2019年10月26日 17時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
白しらす(プロフ) - ( ゚∀゚):∵グハッ!!かわいい...かわいいぞここの森さん!!!!!好き!!!!!! (2019年10月25日 1時) (レス) id: 71d6bb7d16 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 凛さん» ああああありがとうございます;;上手くかけてるかとても心配だったので嬉しいです;;こちらこそリクエストありがとうございました! (2019年10月18日 21時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2019年6月16日 23時

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