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添い寝(?) ページ25

今日は家に帰らず、仕事場で寝ることにした。
寝支度を済ませ、電気を消そうとすると、ノックが聞こえた。

「……A、いるかい?」

「はい、います…っても、森さん?!」

Aの部屋に来た鴎外は目の下に酷い隈をつくっていた。どこかふらついているようにも見える。
傍に駆け寄ると、鴎外はAに手を伸ばし、Aの顔を手で包んだ。

「ふふ…Aは本当に可愛いね…どこかに隠してしまいたいくらいだよ…全く何故こんなにも愛らしいのかね君は…」

ブツブツとAの顔を触りながら、鴎外の瞼はどんどん閉じそうになっている。

「ね、寝てください!私の寝台でいいですから!」

「えっ、いいのかい?ではお言葉に甘えるとするよ…」

するりと顔から手を離すと、真っ直ぐAの寝台へ向かい、倒れ込んだ。Aはパチンと電気を消した。カーテンの隙間から漏れた光が部屋を見やすくしている。

「…何日寝てないんですか?」

「ええと、…大体三日ほどかな」

「三日?!」

思わず大きな声が出た。

「部下に回すべきか考えたが、私一人でこなす方が最適だったのでね…気づけば三日が過ぎていたというわけだ…」

「えぇ…」

気づけば三日が過ぎていたなんてあるのだろうか。自分や他の幹部を頼って良かったのに、と考えたが、鴎外にとって最適解だったのなら、それで良かったのだろう。少し寂しい気持ちになった。

「Aもおいで」

「いや、私は…わっ!」

ぐいと腕を引っ張られて、鴎外の胸にダイブした。抱き枕のように抱きしめられている。

「…Aは…甘い香りがするね…」

眠いのか、とろんとした声が頭上から聞こえる。なんだか可愛い。

「…スーツ、シワになりますよ」

「…同じのがまだあるから……大丈夫さ…」

「そういう問題じゃ…」

規則正しい寝息が聞こえてくる。眠ってしまったようだ。

「…おやすみなさい、鴎外さん」

小声でそう呟いて目を閉じた。

珈琲 1*→←2



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設定タグ:森鴎外 , 文スト , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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あとり(プロフ) - さらささん» ありがとうございます;;ちょっぴり苦いお話にしちゃってすみません;私の確認不足でした… あああ本当ですか!嬉しいです……!!これからも精進して参ります! (2019年12月15日 19時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - すてきな話をありがとうございます 森さんも夢主ちゃんもお互いに想いあっているみたいだけど色んな思いが交差してもう一歩踏み出せない感じですね リアル感があってとてもいいです いやあ 作者様の文才がうらやましいです これからも無理のない様に頑張って下さい (2019年12月13日 15時) (レス) id: a0220cc930 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 白しらすさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…! (2019年10月26日 17時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
白しらす(プロフ) - ( ゚∀゚):∵グハッ!!かわいい...かわいいぞここの森さん!!!!!好き!!!!!! (2019年10月25日 1時) (レス) id: 71d6bb7d16 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 凛さん» ああああありがとうございます;;上手くかけてるかとても心配だったので嬉しいです;;こちらこそリクエストありがとうございました! (2019年10月18日 21時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2019年6月16日 23時

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