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暇つぶし1* ページ23

「うーん。今日は暇だねぇ」

鴎外はそう言うと、紅茶を1口飲んだ。
そうでしょうか、と答えた。Aは普段と変わらず、書類の提出来ていた。
どういう訳かエリスの姿も見当たらない。

「あ、そうだ!A、ダーツやってみないかい?」

「ダーツ?」

思わずオウム返しをした。

「でも私、ダーツなんてしたことありません…」

「大丈夫、私が教えよう。もちろんハンデもつけるから、いいだろう?」

ふふん、と笑う顔に、分かりました、と頷くしかなかった。
鴎外は引き出しからダーツと、医療ようメスを取り出した。

「私はこれでやるから、Aはこっちを使いなさい。」

ダーツを受け取った。思っていたよりも軽い。
執務室にあるダーツボードを見ると、その周りは傷だらけになっている。もしや、今までも鴎外がメスでダーツをしていたことを表す痕跡なのでは。…本当にハンデ?

「さぁ始めるとしよう。Aは初心者だからね。今回はCOUNT-UPで進めよう。ではまず、そこに立って。」

鴎外に指示されるまま動く。
そして持ち方、立ち方、投げ方を教わった。
教わった通りに、紙飛行機を投げる感覚でダーツを飛ばす。

ドンッ。

「あ」

「ふふ、構わないよ。初めては難しいからね。
まだ後2回あるから、気楽に投げるといい。」

ダーツボードではなく、壁に刺してしまった。想像していたより重い音だった。次はきちんとダーツボードに当てよう。

トスッ。

外側の青色の部分に当たった。

「これはすごい。いきなりダブルを当てるとは。」

Aは、鴎外に褒めて貰った声はあまり耳に届いておらず、壁に当たらなくて良かったと安堵の気持ちでいっぱいだった。

3回目は外れた。

「…難しいですね…」

「ふふ、まだ始まったばかりだ。すぐ慣れるよ。」

鴎外は座ったままメスを投げた。

「うーん。中々当たらないね。」

ドス、ドス、ドス。

メスは全て壁に刺さった。…なかなか鈍い音が鳴っているが大丈夫だろうか。Aの不安をよそに、鴎外は楽しそうだ。

「おや、全部外れてしまった。さ、次はAだよ。」

不安そうにAは立ち上がり、ダーツを投げた。

2→←気づいていないと思いたい*



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設定タグ:森鴎外 , 文スト , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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あとり(プロフ) - さらささん» ありがとうございます;;ちょっぴり苦いお話にしちゃってすみません;私の確認不足でした… あああ本当ですか!嬉しいです……!!これからも精進して参ります! (2019年12月15日 19時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - すてきな話をありがとうございます 森さんも夢主ちゃんもお互いに想いあっているみたいだけど色んな思いが交差してもう一歩踏み出せない感じですね リアル感があってとてもいいです いやあ 作者様の文才がうらやましいです これからも無理のない様に頑張って下さい (2019年12月13日 15時) (レス) id: a0220cc930 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 白しらすさん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…! (2019年10月26日 17時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
白しらす(プロフ) - ( ゚∀゚):∵グハッ!!かわいい...かわいいぞここの森さん!!!!!好き!!!!!! (2019年10月25日 1時) (レス) id: 71d6bb7d16 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 凛さん» ああああありがとうございます;;上手くかけてるかとても心配だったので嬉しいです;;こちらこそリクエストありがとうございました! (2019年10月18日 21時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あとり | 作成日時:2019年6月16日 23時

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