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少年と虎と矢張り太宰 3 ページ10

現在隣で宣言通りお茶漬けを食べまくっている敦君の横で私は夕食を食べていた。
目の前にはニコニコとした太宰さんの顔。
その隣では手帳を開き、少々苛立っている国木田さんがいる。

国「すまなかったなA。非番だというのに呼び出して。」
「いえ、気にしないで下さい。いつもの事ですから。」

そう、いつもの事である。もうここまで来てしまえば苦笑しか出てこない。

本来の予定を諦めて駆けつけるのはこれで何度目になるのだろうか。
十回を過ぎたあたりから面倒になって数えるのをやめてしまったので正確な回数はわからないが、確実に五十は超えているだろう。


太「ねえAちゃん。」

「なんでしょう太宰さん。」

太「あの鴨井、頑丈そうだね……たとえるなら人間一人の体重に耐えられそうな位。」
「阿呆みたいなこと考えてないで国木田さんに謝罪と感謝の言葉でも述べたら如何でしょうか。」

この人のために貴重な休暇が潰れたと思うと腹立たしいことこの上ないが、前も言ったようにやるときは本当に頼りになる。
がしかし、普段がこれだ。もう少し真面目にしてくれれば多少評価は上がるだろうに…

これぞ正に残念イケメンと云うやつなのだろう。



今も私が彼に構わなかったので、国木田さんに嘘を吹き込んでからかっている。



因みに国木田さん。首 吊りはどう足掻いたとて自 殺法以外にはなりえませんからね。
大体太宰さんのそういう話は十中八九嘘に決まってますからね。

素直でまっすぐなのは国木田さんの美点ですが、ここまでくると一周回って心配です。



中「あの、そ、それで、探偵のお三方の今日のお仕事は…」


国「虎探しだ。」


待って。私は非番です。
なんて声を上げられるような雰囲気ではないため喉の奥へと飲み込んだ。


さて、何故探偵が虎探しなどをしているのかというと。答えは単純。

ただの探偵ではないからである。

探偵は探偵でも異能力集団『武装探偵社』である。
その名の通り、切った張ったの荒事が領分だ。

まあ、川を流れている奴(優秀ではある)が続けられる仕事である。
普通でないのは一目瞭然だろう。



そういう話はさて置き。

その虎は最近街を荒らしている通称『人食い虎』である。
食糧庫を荒らしたり、畑の作物を食ったりして好き放題してはいるが、まだ人は食ってない。
最近この鶴見川周辺で目撃証言があったため調査をしているところだった。

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名無し60018号(プロフ) - とても面白かったです!自分すごく続き気になります!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年9月22日 8時) (レス) id: 944439b224 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白翼 桜 | 作成日時:2018年5月31日 15時

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