48.告白 ページ50
華相SIDE
マ「ごめんな…、場地」
マイキーは正気を取り戻し涙を流した。良かった…、これで死人は出ずに済む。ちょうど抗争の終わりを待っていたかのように救急車と警察が到着した。
どうやら羽宮は自首するみたいだな。それが賢い判断かは俺にはわからないけど少しでも償いたいという気持ちがあるのならきっと羽宮は救われるだろう。
場地は救急車に乗せられ、音に気づいて起きたAちゃんはそのままバイクに乗ろうとした。って…、左手あんなに大怪我してるのに乗せたら絶対事故起きる。乗せちゃ駄目だ。
華「Aちゃんは俺の後ろね」
「え…?」
華「どうやってその手で運転するつもり?」
「…痛みなんて我慢したら治まるわ」
その傷の深さで痛みを我慢できるのは痛覚のない人だけだ。全く…、少しぐらい甘えても俺らは何も起こらないし困らないのに…。Aちゃんが強がる度にそう思っている気がする。
華「でも今日はだーめ。はい、大人しく乗って」
「…わかった」
お、いつもより早く折れてくれた。やっぱり相当痛いんだな。今も全然血ィ止まってないし、何ならさっきよりも出ている。アドレナリンの効果も薄れてきてるだろうし…、そう考えるとゾッとするな。
俺はAちゃんを姫抱きにして、後ろに乗せてあげた。びっくりはしてたけど抵抗はしなかった…、ってことは嫌じゃないってことか。良かった良かった、拒否されたら俺悲しいよ。
運転中…、
華「Aちゃんがあんなに怒るのって初めて?」
「どうだったかしら…。あぁ…でも、親に紫苑のことをクズだと言われた時は激怒したわ。貴方のことを何も知らないのに勝手なことを言われたのが悔しかったから」
あの時の事な…。あの思い出はきっと墓場までついてくる。拭いきれない過去…。
「何度も言っているけどあの事件に関して貴方が後悔する必要はない」
華「でもさ」
「…はぁ…」
ため息吐かれた…。
「それでも後悔し続けるのなら…、私も一緒に背負う。…あれは私たちのとっての贖罪よ。貴方一人に背負わせるのは…また違う。そもそもあの事件の発端は私の反抗から始まったことなんだし」
華「…やっぱりAちゃんは優しいな。そういうとこ本当に好きだ」
「えっ…?」
華「え…!?…あ」
流れで言ってしまった。別に言ったことに対して言わなきゃよかったとかは思ってないけど、こんないきなり言われたらびっくりするよな…。
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時