33.次の抗争 ページ35
花桐SIDE
眠りについたのは正解だったわ。
昨日の様な体のだるさ、変な暑さは無くなっていたから。でもやっぱりどこか体に異常が起きていたからか、何となく意識がフワフワしてたまま眠ってしまっていた。だから…、紫苑の話していること、全部聞いちゃったのよね。
「俺と出会ってくれてありがとう」…これはこっちのセリフなのに、言う前に言われてしまった。折角なら私の眼を見て言ってほしかったわ。紫苑はこういう時にしか正直にならないんだもの。
華「あれ、起きたんだ。はよ」
「…おはよう。紫苑、昨日どうやって寝たの?」
華「ん?一緒に寝たよ。…別に何もしてないからそんな目で見ないで」
そんな目って…、軽蔑した目でなんか見てないわよ?ちょっと疑っちゃっただけで。
「多分してたら起きるわ。それに…信用できない人の家でなんて寝ないから、絶対にね」
華「…!そう。…あ、でもそのお腹の出血は一応止めておいたから。それは怒らないで」
「怒るわけない、ありがと。紫苑。じゃあ、そろそろ帰るね。今度みんなで一緒に集まろっか。楽しそうだわ」
華「いいね、JKで言うパジャマパーティーってやつ」
私はそんなこと言ったことないんだけど。まぁ…それと同じようなもの…?だとは思う。
紫苑の家から出て、空を見上げると既に太陽は南中してた。起きたのは既に昼過ぎだったのね…、寝すぎたわ。
「…ホントにあの時助けてくれて良かった」
もし…あのまま連れて行かれていたらと思うとぞっとするわ。私の初めてを知らない不良にあげるなんて…、恐ろしい。
「今度の抗争はあの子たちのグループを潰そうかしら」
あの薬を持っているということは危険な組と繋がっている可能性が大いにある。サツに見つかってしまう前に私たちが潰してしまった方があの子たちにとっても良い。と言ってもね、最近大きな抗争起こして負傷者が結構出たからしばらくは出来ないんだけど。
それに東卍の方が抗争と起こすと言ったら私たちもそれに加勢しなければならないし。
「まぁ…不良は喧嘩してなんぼなんだから」
負傷しようが関係なし、やると決めたらとことんやる。私たち羅賦良簾は獲物を逃がさない、地獄まで追いかけて滅ぼす。よほどのことが起きない限り、私は絶対に負けない。…負けたくない。
ナイフに刺されても大丈夫な体になれたらいいのに。
「もっと腹筋鍛えてナイフに対抗できる硬さになりたい」
現実的に可能なのかな?
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時